第6話 山男の伝説

ドラマの主軸であった信念に忠実な人間性と周りとの調和のため
に嘘偽りの心を装う人間性の対立は上手い感じに葛藤し表現されて
いたのではないかな。

この世の中損な性格をしている人は居るはずで、ドラマ
の中での玉木宏がそれに当たる訳だが、様々な困難に直面しても
このキャラクターの人間性を最後まで崩さず貫き通したことこそ
がドラマとしての見せ場だったのかもしれない。

そんな人間性を見せる中で結局約束事を守れなかったのは
山本太郎ではなく玉木宏だったという事も興味深く映る。

物語当初、K2登山に対してコンビを組むときの条件として
トラブルが起こったときのザイルを切る切らないの対処法に
関して冷徹な決断を求めたはずが、玉木宏自信は親友を置き去り
にする事が出来なかった。

今思えば、鶴田真由の存在は何だったのかという事にもなるが、
山男は結局山を捨てることが出来ないという言葉の意味を
証明したことにも繋がり、親友の絆を優先したことも
流れとしては良かったと思う。

ドラマの葛藤の中で嫌なキャラクターも目に付いたが、
石坂浩二や伊武雅刀の器の大きいキャラクターや武田真治の自分
を省みる事の出来るキャラクター、相島一之のフォローの入れ方
など、最後はどのキャラクターも落ち着くべき所に落ち着いた
感じで良かった。

余談ですが、
このNHKの枠(土曜・22時)でこれくらいのレベルのドラマが
コンスタントに撮られるようになれば、毎回見るようになるの
ですけどね。韓国KBSに負けず日本のNHKもガンバレ〜

評価:★★★★☆

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