第1話 妻との別れ“熟年離婚”から1年新しい親子愛の物語

家庭を顧みず、仕事人間でワンマンな男に嫌気が差し、妻は子供
を連れて出て行く。妻もまた生活のために仕事に就くと子供の
事は疎かになり、子供は行き場を失っていく。

良くできたドラマだった。
それと雰囲気が落ち着いた感じのドラマなので、このドラマならば
幅広い世代からの共感を得ること間違いなく、結果にも表れると思う。

これまでにも仕事人間が家庭を顧みず、妻子と離れてみてようやく
自分の過ちに気がつくという展開のドラマは有った。
このドラマとしての特徴は定年退職した熟年者が関わっていく
ウチに、そんな過ちに気づかせてくれるという事。子育てに困る
世代の人間を年配者がフォローしていくという昔の日本の風情が
そのまま取り込まれている事だと思う。今の日本は熟年者だらけ
なので、こうした定年後の役割を示唆する展開は、有る意味
現代社会を反映していて、実に上手い構成だと思う。

ドラマとしての意外な点は、妻・石田ゆり子の使い方。
基本的に彼女自身も夫・竹野内豊と似たような仕事人間で、
仕事にかまけると子供のことを忘れる側の立場であり、仕事と
家庭が秤に掛けられるドラマでは男性が悪者として描かれる
事が多い今日では、扱いに平等さが有って好感が持てた。

ラストの誕生日の件も、今までの酷い父親像を脱ぎ捨てて新た
なる生活の始まりという事で、冒頭での一年前の誕生日の日に
親子で約束した件を引っかけて演出した展開で良かったと思う。

しかし木村多江さんが弁護士っていうのは、なんだか今後の展開
を予感させるのは気のせい?親権争いになるのかなぁ。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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