第4話 心に残る傷と勇気

医療行為について権限のない看護婦・石原さとみが過去に冒した
過ちがついに明らかになる話。

主人公のキャラクターに対して深く掘り下げるシナリオで、
このドラマ最大の見せ場といった感じに内容は賞賛に値する
ほどよく出来ていた。

法律を遵守し助かる可能性のある人の死を見守ることが最善の
行為なのか、それとも法律を破ってでも助かる可能性を追求する
ことが良いのか。
人間の生命の尊さと社会的法規や倫理感のぶつかりあいという
永遠のテーマを投げかけたような話で、見ている方としても
複雑な心境になった。

見る角度によっては人間にとって最低の行為であり、また別の
角度から見れば看護婦は天使であるとまで賞賛されてしまう
状況を考えれば、それが如何に複雑な問題を含んでいるのかが
分かる話だと思う。

石原さとみの行為について現場の人間は表面的には賛同できない
ものの、市民を代表するような患者の態度そのものが彼女の
行為を賞賛しているようで、見ていて気分の良い。

また石原さとみに感化される人々の事も取り上げられたが、
良い面と悪い面、二つの側面から影響される人々を取り上げる
ことによって、上手い感じにテーマについて深く検証させる
事に繋がったと思う。

唯一の欠点は、全てに於いて"出来過ぎ"ていた事くらいか。
最後まで信じてあげなければならない立場の人間である杉田かおる
が何故そんなにもキツく当たるのかも出来過ぎの範疇に含まれるの
だが、彼女も医療行為に関する苦い過去が存在したことによって、
その理由も説得力有る行動になった。

評価:★★★★☆

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