第7話 僕ら薔薇薔薇…という感じ?

芝居は売れたらお終い。売ってはいけないものがある。
そんな言葉を証明するかのような展開で、小劇団にも人が集ま
れば十人十色、それぞれの思惑の違いや人生観の違いが、
やがて求心力を失い、空中分解する話。

終盤までは正直どうでもいい話だったけど、石垣佑磨が吐露する
辺りからドラマが急に引き締まって面白くなった。

討論の議題にあがったもの、それはやはり人生とは切り離せ
ないお金に対してのものだ。
お金が全てではないとする石垣佑磨の主張には、彼の生い立ち・
家族環境が包含され、居場所を求める彼の事情が存在するし、
金児憲史の主張にも、彼らの人生を左右する事情が存在している。

いちいちキャラクターたちの主張に納得してしまう訳だけど、
その主張に反論する主張にもまた真理が含まれており、どちらが
正しいとかそういう問題ではなくなっている所が、事態を複雑な
ものとしている。

サンデーズを家族と見る上戸彩は、石垣佑磨に近く、
成功のために切り捨てねばならないものがあるとする山口紗弥加
は、金児憲史と近い視点を持つ。

日本のドラマらしく、こんな葛藤を描いて最後には簡単に解決する
んだろうと高を括っていたが、最後まで下降線を辿るシリアスな
話で、良くできていたと思う。

果たして一歩進んで二歩下がってしまうのか?

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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