第9話 さよならサンデーズ

事務所からの要請で上戸彩が連ドラ出演。
将来性を考え、佐々木蔵之介は彼女に退団を命じる話。

結局最後も上戸彩の力説によりドラマを締める形は一緒だった。
宿命と運命の違いを説き、自分の意思で変える事の出来る運命を
自らの手で決めていくと決断した彼女。

演劇畑からするとドラマのような継ぎ接ぎだらけの作業に
嫌気が出るのも無理がないのかも知れない。
そこには個性など必要なく、機械的に決められたパターンをこな
していく事の寂しさ。
実際にはこんな極端なものではないと思うが、ミステイクの許さ
れるドラマ撮影は物足りなく映るものかも知れない。
劇団の仲間意識とはまた違う個人の役割を淡々とこなしていく
姿に、劇団によって生気を取り戻した彼女にとって、無力感を
感じるのは有る意味当然のことだ。

今回はほぼ残された仕事、残された結末に向かって一直線だった。
藤井フミヤの昔の仲間との和解と目標であった本田劇場での公演。
どちらも予想できるものでは有ったが、なかなか良い形の構成
だったと思う。

自分の気持ちに素直でありたいと思う彼女。
ココに求めるものが無いと悟り、約束されたスター街道を脱ぎ捨て、
何の迷いもなく劇団に合流する辺り、名誉や名声ばかりでない
生き方の提言は、何かを目指して苦労している人への応援歌の様だ。

さて残念ながら、打ち切りの形で終了してしまったこのドラマ。
23時枠にすれば成功したのではないかという人も多いが、本質的
には演劇の町・下北の風土で有ったり、劇団に興味がある人以外の
層を取り込む事に失敗したのが原因だろうか。
かなり劇団初心者向けの作りをしていたが、やはりそのノリには
独特のものがあり、"身内"感の強い作りだったようにも思う。

打ち切りがなければ、最後の演劇も長い時間見ることが出来たの
だろうなと思うと少し残念だ。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system