第9話 忍び寄る運命の影

週刊誌に色々とスキャンダルとして取り上げられ、バンドの
デビューが中止の危機にあう話。

世間では必ずしも"真実"が優先されず、"イメージ"が先行するのが
現実。
スキャンダルが発覚した事によってデビューが出来なくなったの
は、こんな理由からだ。
しかし真実を語ったことによって、逆に世間からの共感を得て
しまう。

見えない世評をドラマの演出上に取り込み、負のベクトルを上手い感じ
にプラスの方向へと導いた巧みな演出だった。

山田孝之を巡る、松下奈緒と沢尻エリカの対決。
直接的に戦わせることなく、相手に負けだと認めさせる命がけの
方法によって決着を付けた。愛する人のために命を投げ出すこと
が出来るという台詞はよく聞くが、所詮人間は我が身の可愛さ
故に自己防衛力が働く。咄嗟に飛び出した彼女の中に強さを演出
するのと同時に愛の大きさを感じさせる上手い演出だったと思う。

自らの我が儘によって事態を大きくしてしまった松下奈緒が
自らの手で幕引きを行うという展開も、ドラマとしては納まり処
が良い話だった。

罠を仕掛ける記者の役割が実にドラマっぽいキャラクターだった
がその辺は目を瞑ろう。その代わりに松下奈緒に対して視聴者
からの反響が多いと分かったときに、悔しがるライバルの原史奈
のカットが有ると良かったのかも知れない。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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