第5話

料亭・坂下の二階から現金を持ち出そうとした二宮和也。
必要以上に黙して語らない姿に、若女将である岸本加世子
はクビを宣告する。

暗い展開になるのかなと思ってはいたものの、意外にもそんな
雰囲気は冒頭の一部だけ。今まで謎の女性として登場していた
黒木メイサを使い、全く別世界を描いたような感じだった。

ベテラン俳優人たちが締めるところは締めたし、ビジュアルや
演出面、遊び心で興味を惹かせたのが、今回の黒木メイサとの
対面であり福田沙紀とのじゃれごとだった。

必要以上に言い訳をしない男らしさを見せたかと思えば、
受け売りの形で得意ぶって小説の作家のことを話したり、
安易な発想でフランスに染まる姿がなんとも可笑しい。

殴ってしまったバツの悪さがそのままロボコップの様な態度に
現れている松重豊が相変わらず良い味を出している。言葉以上に
その場を一変する程の緊迫感を与える彼のシャックリには
感心しきりだ。坂下の場面だけでなく、屋外での喫茶店での
やりとりの中でも、カスタネットを叩くが如く独特の響きを
鳴らしたところは見事だった。

バツの悪さと言えば見つかってしまった八千草薫も負けては
居ない。迎えに来た梅宮辰夫の前でミカンに拘る姿は、なんとも
可愛らしかった。

guest
松重豊、六角精二

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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