第7話 企画コンペに恋は厳禁

S&Pは社内総出の企画を募集する。
ハケン社員である加藤あいは、自分も企画に応募しようとして
案を練る。

篠原涼子は結局人情に目覚め始めたのか。
要らないものは要らないとキッパリ切り捨て、契約以上の事には
決して手をつけなかった彼女にすればかなり異例の行動に出たと
思う。彼女の心を揺り動かしたのは何なのか、その辺の事が
曖昧な感じだし、時に社員の顔を立てたりプライドを踏みにじっ
たりと、その辺のスタンスが一変してしまうところが、とても
曖昧だ。

ハケンとしての立場と社員の立場との対比は現実の社会と照らし
合わせて見てもよく描かれていると思う。おそらくこのドラマに
共感するのもその辺の所でリアリティを感じるゆえの事だろう。

今回のエピソードでも社員のプライドを傷つけるような派遣の
活躍と派遣として何処まで働く会社の企画に踏み込んで参加できる
のかという面では面白かったと思う。ただその後のシナリオと
解決の方法はちょっと微妙だった。

企画を通す以上、責任の問題を明確にしなければならないもの
だが、どうもドラマでは責任の問題を抽出せずに、社員としての
プライドと誇りの方向へと偏重したような作りになってしまった。

その後の松方弘樹の行動も、社員ならば否応無しに社風という
名分によって派遣の首を切ることが出来るという理不尽さが
抽出されてしまい、ドラマの本質を見誤った感じも受ける。

小泉孝太郎はとても良いポストだけど、出来ればこのドラマの中
の新人派遣・加藤あいとの待遇の違いや成長の違いを見比べる
意味でも彼にも新人社員というポストで描かれるとドラマとして
面白い様に思う。このままではなんとなく上に立つ者の器では
無いような扱いだ。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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