第5話 涙の抱擁

圭祐が盲腸で倒れる。
丁度東京を訪れていた妻の小百合の看病を受けながら病院の
ベッドで安静にしている中、心配で様子を見に来たユリと
鉢合わせしそうになる。
そんな中、ユリは30倍もの就職の2次試験を通過し、最終面接
へと進もうとしていた。

明石家さんま劇場。又は明石家さんまさんを喜ばせるために
組織されたドラマのプロフェッショナル集団と言った展開は
相変わらずだが、往年の名作「男女七人XX物語」を思わせる
様なさんまさんの渋い演技が見られる展開だった。

特に風ちゃんと電話で喧嘩した後、葉桜散る河辺でユリが
寂しそうに佇んでいるのを眺める辺りのシーンは、このドラマ
一番の見どころであり、圭祐から発せられるセリフと彼の
表情は円熟味を帯びた俳優の如く風格が感じられた。

ユリと圭祐が橋の前で目が合う瞬間なんて森川由加里のSHOW ME
の音楽が流れるかとさえ思ったほどだ。

病院では何度となく鉢合わせの緊迫感を演出。
電話を使って圭祐、風ちゃん、由紀夫の三人が同時に掛け合う
シーンは大胆に互いの相手を間違えて声を掛けるといった面白い
展開もあった。

前半から終盤にかけて、圭祐最良の日であるか如く、家族との
関係を円満にし、ユリとの関係も近づけた為、最後にその反動が
来るのは有る意味予想通りでありドラマとしての定石通り。

由紀夫がやたらと二人の間に絡んでくるのがうるさく感じる
のは、自然と圭祐とユリの関係を応援しているからなのだろうか。

で、今回圭祐とユリが親子なのかも知れないと思わせるような
ドラマ演出上のサブリミナル効果が有った。圭祐が思い描く
過去の記憶もそうだし、看護師が二人の事を親子だと間違える
シーンは何かを暗示していると思う。

看護師役は濱田万葉さんだったのかな。
カタカナで書くとハマダマハさん。
この方をクレジットで見るといつも回文だなと思ってしまう。
ドラマ「ドリーム・アゲイン」で、藤本雛が父親の性を語るか
どうかに置いて"アサヒナヒナ"になってしまうから嫌だと
拒否するシーンが有ったけどハマダマハさんにも通じるモノが
あるなと勝手に一人で思いこんでほくそ笑んでいました。

guest
須永慶、菅野達也、濱田万葉、西原ちえこ、辻義人、立花彩野
田中充貴

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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