第3話 その手術は失敗する

急患が運ばれてくる。
患者は先日朝田龍太郎が経過を診ていた西沢孝文。
彼の扱いを巡り野口との意見の食い違いから、明真大学付属病院
から北洋病院へと異動させられる事にもなった。
すぐに朝田はICUへ運ばせ、緊急手術に入る。

朝田の豪快かつ器用な手さばきによる手術シーンによって魅せる
展開ではなく、その後のドラマに重きを置かれた内容だった。

手術シーン自体はシーズン1でも散々出し尽くしてきたわけだし、
シーズン2では意外と医者主体ではなく、患者が主人公になる
ケースも多いのかも知れない。

それもそのはず。医者が主人公である明真大学付属病院ではなく、
ここは患者の為の医師を目指すようになる朝田が勤める病院
なのだ。

朝田の手さばきによって眠っていた才能有る医師達が目覚めて
いくというのは、とても良い見せ方だと思う。
野口や片岡一美を出し抜くには、この病院の再生が必要な訳
だし、小さな事でも彼らの思惑や想像を遥かに超えた展開を
用意していくことは、ドラマとしても面白い。

ただ現状の医師達はあり得ないほどの凋落ぶりで、やや現実感
を感じない。ドラマらしいキャラクターの描き方といった感じか。

ドラマを見ていると色々と謎めいた事も多い。
かつてのエゴイストぶりを発揮していた頃の朝田の姿が何故
無くなってしまったのか。そして医療従事者以上に医療に詳し
そうな片岡一美の存在。潰す気だと思わせて実はその先の展開
が用意されている気がしてならないわけだが、この先どうなるか
はまだまだ具現化出来る程の情報はない。

医療裁判をするかどうかの選択を迫るときの、心情と実利は
実に上手い描き方だった。人間は金の前には単純だと思って
いる者達に一石を投じる展開もまた、野口や片岡一美の思惑
を見事に裏切る展開で実に爽快だった。

guest
浜近高徳、中沢純子、土屋史子、牟田悌三、山本裕典
市川千恵子、三枝貴志、法福法彦、堤匡孝、吉野真希

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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