第9話 最後の授業・・・人は何のために学ぶのか?

ついに年を越し、2月1日の本番が近づく。
その前に子供達はお試し受験を受けることになっており、
16日にその試験が迫っていた。

いよいよ道子の家庭が語られた。
親は長男を見捨て、優秀であった長女・道子を選んだこと。
捨てられた長男が自殺し、現在沙織の父親の病院に入院している。
そんな兄の意識を取り戻すべく、道子はアメリカに留学し、
自ら研究して治そうとしているのだ。

将来に対して明確に目標・目的を持つ人間・道子の壮絶な人生と
目の前の受験に躍起になる生徒達の間には確かに温度差は有るが、
その温度差も道子と出会ったことで縮まり、朧気ながらも将来像
について思い描けるようになってきた。それだけでも随分人生
について学んだ結果だと思う。

また人に裏切られることの厳しさと勉強の必要性を説いたことも
道子の人生経験故の最後のアドバイスだろう。

受験に対する家族の細かいケアなども提示されたりして、いよいよ
受験が近づく感じが現れてきている。
みんなで受験している分、心強いモノを感じるのは確かだ。

自分の夢に対して最後まで諦めない事の必要性や執着心を謳った
今回は勇によって道子に教え返した結果になった。
自分の親なのに息子を見捨てる行動と自分の親でもないのに
土下座までする勇の行動は、彼女にとっては混乱させる出来事
ではないか。
家族の暖かさに餓えている彼女にしてみれば、最後にみんなで
一緒に食事をしたこと、そして母親の手料理を味わった事は
誰よりも身に染みて暖かさを感じる瞬間なのかも知れない。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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