第9話 女のダンディズム

萌の妊娠の事実を知ったるり子は、柿崎との間に出来た子供だと
思いこみ、二人の関係を再び引き合わせようとする。しかし
改めてよく聞くと、子供の親は柿崎では無かった。

男女の異性同士の関係よりもドラマとしては友情が前面に出る
様な話しだった。

萌に対して男性に寄りかかるチャンスを与えた。
人生はそんなに甘い物ではない事を実感している彼女だからこそ
そのチャンスがとても甘い誘惑に聞こえるし、何と言っても
一人で何でもこなしてきた彼女にとっては、今までに無い価値観
に触れるチャンスなのかも知れない。

この人生の転機に於いてるり子的な生き方に触れ、今までの人生
観を否定するような楽な生き方だって出来るのかも知れない。

しかし彼女がそれを選ばず、萌は萌らしさを貫いた。
心情を吐露して不安な一面を覗かせたもののやっぱり彼女らしい
逞しさを感じる展開は、期待していた早坂萌というキャラクター
イメージそのままに、最後まで裏切ることなく一貫した性格を
描けたと思う。

逆に変わったのは萌ではなくるり子だったという点も面白い。
自分以外の誰かに何かしたいと思ったのは初めてという彼女
の決断。彼女の人生観を変えるに値するほどの求心力を萌の
中に見ることが出来た。

男性たちの意識を女性たちが変えさせたという点も良かったね。

しかし高校生との間の子供っていうのがまた凄いね。
父親に認知させずに産んでしまうことは常識的に見て許される
事なのだろうか。

また崇に帰る場所を与えた事を見ても、三人で居たこの部屋の
存在がよく描かれていた証拠だと思う。

TBSの木曜10時の枠は、子供受けしない様だけど、大人が見て
十分楽しめるドラマが多いね。
しかも米倉涼子のドラマは、女性版織田裕二の如く、ハズレが
少ないように思う。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system