結婚披露宴でのスライド写真の中で、岩瀬健は多田の肩口で
涙を流していた。教育実習が終わるまでの間、一体何が起こっ
たのか。

短い期間の中で教育実習生である多田との間に何が起こったのか
実に興味深く見守ったけれど、実は一見すると何もない。
ただ一言、吉田礼が先生に対して語った事が痛烈なまでに印象深く
残った事だ。

生徒とのコミュニケーションに失敗して後悔している多田のセリフ
は、岩瀬健の現状を象徴していて皮肉にしか映らないし、運命を
変えるために来たはずの過去ではあるが、性格までは簡単に変え
られずに結果として運命を変えることも容易ではない事。

皮肉のスパイスがとてもよく利いた内容で相変わらず良くできた
ドラマだと思う。

ただ結果は似ているように思えるが、受け取られ方の意味が少し
ずつ変わっているし、そんな小さな積み重ねがやがて運命というもの
を動かし、大きな実に結ばれていく感じはよく分かる。

クラスの名簿を出すタイミングを少し変えるだけで、これ程
結果は同じでも意味合いが変わってくるとは思わなかった。
しかも周りの人物には岩瀬健という存在感を示す事は出来ない
けれど、ピンポイントで大切な人にはそんな彼の気持ちが伝わった
ことは、ドラマとしても実に上手い作りだと思う。

そういえば、長澤まさみが山Pの事を健三と呼んでいるのは
今まで本名を知らなかったのだろうか? それともあだ名として
定着してしまったゆえに引っ込みが付かないのかな。

水道の水を飲む長澤まさみの絵は反則なくらい可愛かったが、
バットを振る彼女の姿はスカートの中身が見えそうでハラハラしたぞ。

guest
松本莉緒

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)