第9話 最後の一瞬に何を賭けますか

結婚前の最後の一枚。
それは結婚を決めた日に撮ったもの。最も思い出したくない
一日でもあった。

最初にインパクトある運命の宣告を流して、この日一日に
何が有ったのかをその後にゆっくりと描く手法。とても興味
深い描き方だった。ただこの描き方だと、岩瀬健の取った
行動の過去未来の違いが分かりづらいという欠点も有る。

健三という親しみの有る彼女だけの名前で呼ばれなくなった日。
実に寂しい日です。

やはりドラマでは岩瀬健の取った行動には今更感が有った。
結婚という人生の転機に相手の悩める時を利用して強引に
押し入ろうとして見たところで、やはり悪あがきに見える。
せめてプロポーズの前にしていれば、そんな後悔を感じさせる
内容だった。

段々と彼女の中で岩瀬健という人間の存在感が減っている事
を証明するように写真に写る岩瀬健の実像がぼやけ始めたのが
面白い。有る意味この写真は吉田礼の心の鏡を映し出す指標に
繋がっている。
先週の研究室の写真でも窓越しに判別出来るか出来ないか位の
存在感しかなかったのだが、今回はまるで心霊写真だ。
過去に行ったことによって違いを見いだすことが出来るという
のならば、この心霊写真が岩瀬健という歴とした人間の形で
映り込むことに成功した事だと思う。

さて周りでは次々とカップルが成立し始めている。
過去は変えられると言うことを端的に示している証拠でも有る
のだが、結婚を決めてしまった彼女の過去を変えるというのは
やはり容易なことではないらしい。

結論を予想すると案外過去では下地を作り、岩瀬健の決断力は
現在で見せるのだろうと思っている。所謂ダスティン・ホフマン
の「卒業」的展開だ。
果たして最後はどんな展開になるのかな。

guest
半海一晃、小倉久寛、中江智子、亀山助清、椎名秦三

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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