学年で一番の頭脳明晰な太郎が就職を希望していることに対して
疑問を感じる担任・鳥居京子は一ノ宮校長に相談する。
校長は太郎の親友である御村を呼び出し、どちらが先に太郎に
進学を誘致出来るかゲームを行うことになる。
一方その頃、杉浦圭一の発言によってクラスでは、山田太郎が
貧乏な境遇にあると噂される。

太郎の進学の話しと太郎家の貧乏話し。

色んな人を巻き込んで太郎中心で物語が動く。まさに台風の目
となる彼の後を先生も生徒も先輩も関係なく付いてくる。

どちらも太郎というキャラクターを魅せるのに十分な要素の
詰まった話しだった。

和夫の友達であるウメは突然都合良く出てきたキャラクターにも
思えるが、豪邸の存在によって太郎の気持ちや家族の様子が
どう変化してしまうのかとても面白い存在として浮かび上がった。

しかも今回の騒動である太郎家の貧乏話を終息させるのに使わ
れるのだからなかなか上手くできたシナリオだと思う。

問題は豪邸に移り住んだ太郎の姿を見て険しい顔をする御村
の心情だね。太郎が幸せになってはいけないという理由もなく、
豪邸に住んでも良いワケで、貧乏である実情が晒されなかった
事で何が問題有るのかという事になる。

ドラマの中で"一番大切なものは何か"という質問に答えを出す
暇なくエンディングを迎えたが、これまでの展開を見れば明ら
かにその答えは家族に有って、金を手にした山田家の家族の
団結力が希薄なものとなってしまうのではないかという心配は
有る。しかしそれ以上にドラマとしては王子として奉っていた
太郎の現実が晒される事によって、生徒達の間にはどんな変化
が起こるのか見てみたかった気がする。

guest
吉行和子、猫背椿

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)