ハチミツとクローバー

脚本/金子茂樹
出演/成海璃子、生田斗真、成宮寛貴、向井理、原田夏希
村上淳、瀬戸朝香、柏原崇、木村祐一、前川泰之、泉谷しげる
松重豊、滝沢沙織、真田聖也、石川雄也、土屋史子、高橋ひとみ

http://wwwz.fujitv.co.jp/hachikuro/index.html

第11話 胸を張れるいい恋だった

絵なんか描かなくても良い。一緒にさえ居られれば。
病院からはぐみを連れ出した森田に今の心情を語る。
何もかも投げ出して逃げることも考えたが、手の痛みを感じる
ほどに諦めるなと言っている気がすると。
野宮は一晩車を飛ばしてあゆみの元へと赴く。
彼女の姿をずっと見守っていた彼にとって、今の心情を一番
理解していた。

いやぁ最後まで渋い演出のドラマだった。
青春群像劇にありがちなドラマとしての韻を踏んで、きっちり
と学生から社会人として羽ばたいていくまでの流れを描いている。
ハリウッド映画などにはよく見られるし日本のドラマでも時々
取られるけど、何度も見ても飽きない。

熱心に作っていた卒業製作。卒業を蹴ってまではぐみに贈る
表彰状の台座にしてしまった森田の行動。

最後まで一つの愛に拘り通した真山。

最後の最後で自分を優しく見守ってくれる人の気持ちに触れた
山田あゆみ。

四つ葉のクローバーという不思議な幸運のアイテムで結ばれて
いた竹本とはぐみ。

どのエピソードもバリエーションに富んで飽きさせない作り。

それぞれに独立したエピソードだけど、みんなで集うときの
学校の研究室だったり、竹本たちの住むアパートの光景が
印象深く描かれている点も青春劇の演出だ。

これでみんなで集まるのは最後だねと言ったときの寂しさは
この群像劇の人間関係が深く描かれたことを証明している。

途中で竹本が自転車旅行に出てしまったときは、このドラマ
どうなるんだと思ったけれど、最後の展開の中でも上手くそれ
を利用していたし、その旅の中での人との繋がりが上手く自分の
未来や進路を描いたという縁も人生を象徴していて実に面白い。

最後にハチミツと四つ葉のクローバーサンド。
クローバーって食べられるのだろうかという事が気になりつつも
二人の気持ちが最も最接近した時が別れの時なんていう
ちょっぴり苦い展開が、如何にも青春の思い出っぽく描かれて
いる点も絶妙なものを感じる。

guest
濱田岳、山中聡、樋渡真司、海老原敬介、伊藤瑞稀

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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