恋空

脚本/渡邉睦月

http://www.tbs.co.jp/koi-zora/


第4話 もう、おまえの涙ふいてやれないから!ヒロ悲しみの決意
…新しい恋


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美嘉の中の赤ちゃんは亡くなった。
命日(12月24日)には毎年一緒に来ようと約束する。
その言葉に美嘉は二度と悲しみは訪れないと信じていた。

一方、ヒロは悪性の腫瘍が見つかってしまう。
ヒロは20歳まで生きられないことを嘆く。美嘉の事を守ると、
そして幸せにすると、約束したのに赤ちゃんに引き続き俺まで
居なくなるとは。姉のミナコはきちんと美嘉にも話した方が
良いと告げる。

翌日ヒロは美嘉の姿を見ると突然抱きしめる。唐突にもし俺が
急に消えたら・・・一生逢えなくなったらどうすると質問した。
美嘉は例え話でもそんな事は考えたくないという。

今日はヒロの誕生日。
美嘉とは喫茶店での約束のハズが、ヒロは一人川辺で佇む。
美嘉は2時間も連絡が取れなくなったヒロを心配し、ヒロの
好きなこの場所に居るだろうと川辺にやってくると案の定
彼は居た。美嘉は誕生日のプレゼントにニットの帽子をプレ
ゼントする。しかしヒロは突然格好悪いとして帽子を川の中
に投げ込む。彼のあまりの唐突な行動に驚く美嘉は別のものを
買ってくるとして店へと走る。そして再びプレゼントを渡そ
うとヒロの実家へ足を運ぶが、ヒロの姿はなかった。対応に
出たミナコもどうして良いか分からず、冷たい行動を取って
しまう。美嘉はヒロが帰ってくるまでずっと外で待っていた
が結局誕生日を共に過ごすことが出来なかったと落ち込む。
帰りが遅くなった美嘉は父親の様子を伺うが、父もまた帰宅
していなかった。

翌日ヒロの実家に両親が留守にするため友達同士で集まる事
になる。ヒロはノゾムにある頼み事をしていた。
美嘉はノゾムに誘われヒロの家に行くことになる。
ヒロは昨日の態度とは違い美嘉にも好意的に笑顔を見せた。
友達の前で俺の彼女だと美嘉を紹介するハイテンションぶり。
夜になりみんな寝静まる頃、寝ぼけたノゾムに美嘉はキスされる
事になる。すぐに美嘉は洗面所に走りキスされた唇を洗い落とす
が、部屋に戻ったときに今度はヒロが別の女性とキスしていた
のである。美嘉は思わず外に飛び出す。その様子を見て思わず
追い掛けそうになるが、ヒロはぐっとこらえた。

翌日ヒロから美嘉へメールが届く。図書館で待つという彼。
ヒロは美嘉に別れを告げ、その理由を昨晩ノゾムとキスして
せいにしようとしていた。そして自らも色んな女性と遊びたく
なった事を告げる。侮辱される美嘉は指輪を投げその場を
出て行く。
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赤ちゃんが亡くなるのに引き続き、今度はヒロまでも失おう
としている。ヒロは美嘉を悲しませまいとして、悪態を付き
別れを演出しようとする。

この手のドラマにはよく有るパターンで、最愛の者を悲しませ
まいと自分の感情を押し殺して、逆に嫌われるような行動を
取り、別れを告げる。
相手は意味も分からないまま迷走する事になる訳だが、結局後に
なって死ぬことが分かるのならば、そんな面倒なことをしなくて
も良いのではないだろうかと思ってしまう。

弱っていく自分を相手に見せたくないのだろうか。
死ぬと分かっているのならば最後は好きな人と居たいと思うのは
罪なのだろうかと常々考えさせられる内容だ。

別れが有れば出会いが有るように、今回は初めての恋に終わり
を告げ、次の恋へと邁進する話しだった。

ヒロが居なくなった途端、ドラマが面白くなり始めるというのが
なんとも皮肉な感じだが、新しく出会う男性・福原優の中に
ヒロの面影を見たり、また彼とは全く別の新鮮な優しさに包まれ
ながら物語は進んでいく。

もの凄い時間の進め方で、季節の象徴的なエピソードばかりを
掻い摘んだ感じのする内容だ。

ドラマとしてのポイントは、あれほど悪態をついたヒロが12月
24日の命日のことだけは覚えていたという事実だ。本来ならば
ここでヒロの気持ちに気づいてあげなければならない展開だが、
気づかずに別の道を歩んでいくことになる分岐点の中を美嘉
自らが別の道へと歩み出すというターニングポイントを分かり
やすく演出したことだろう。

両親の離婚話は唐突な感じもするが、こういう大事なときにこそ
相手の男性の器量みたいなものが発揮される場面だろうか。
男らしく名乗り出る優の態度。機転を利かせて上手く離れそうに
なる夫婦を繋げたという意味で、美嘉の中に一つのポイントを
埋め込んだ事は間違いない。ただこの恋は初めてではなく二度目
の恋と言うことで、印象深く残る初恋に勝てるのかとどうか
という選択が今後待ち受けているのかも知れない。

田原美嘉 ……… 水沢エレナ (真面目な高校1年生)
桜井弘樹(ヒロ) ……… 瀬戸康史 (シャイで不器用)

亜矢 ……… 葵 (美嘉の幼なじみ)
ノゾム ……… 三浦翔平 (ヒロの親友。亜矢の彼)
咲 ……… 波瑠 (高校2年生。ヒロの元彼女)
加藤タツヤ ……… 永山絢斗 (密かに美嘉を思う)
田原さおり ……… 菊池亜希子 (美嘉の姉。OL)

ユカ ……… 佐武宇綺 (美嘉のクラスメイト。オシャレ)
ハナ ……… 小林さり (美嘉のクラスメイト。おっとり)
マナミ ……… 宮澤佐江 (美嘉のクラスメイト。スポーツ万能)
担任・美園 ……… 中村果生莉 (1年A組)

桜井ミナコ ……… 松下奈緒 (ヒロの姉。元不良)
田原安江 ……… 羽田美智子 (美嘉の母親)
田原勝治 ……… 岸谷五朗 (小さな会社経営)

福原優 … 阿部力
桜井博一 … 宇梶剛士
桜井明美 … 奥貫薫

guest
松山まみ、春日潤也、渡航輝、松井理未、大澤奨

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