ネコナデ (2008年1月期・テレビ埼玉・金曜21時) 監督：亀井亨 原案・脚本：永森裕二 脚本：亀井亨、松野出、野澤弘之、俵法子、高橋悠 製作：永森裕二、間宮俊二、関佳史、松本宏、青柳洋治 プロデューサー：波多美由紀、細井俊介、江副純夫 小川貴史、陣汰朗、森角威之、比留間明花 音楽：野中“まさ”雄一 http://nekonade.info/tv/index.html

第4話 世間じゃ、それを癒しと呼ぶ
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汰朗の身の回りには気ままなヤツばかり。
社長は鼻毛を切るという身だしなみを気遣う割に人前に鼻毛を
切るという始末。
しかも会社宛に汰朗の事が書かれた手紙が届いているとし、
汰朗のリストラ策に対する文句が書かれていた。汰朗は大体
書かれている事は分かっているので読む気はないが、社長は
声に出して読む始末。ホントはやったと思っているのでは?と
社長に言われ、汰朗の目はまるで獲物を狙う獣みたいな目だと
言われる。それを聞いた汰朗は、一体自分は何故この会社にい
るのかと幻滅する。社長はかつてネコを飼っていたが、死んで
からは犬を飼っているという。犬は従順だがネコはきまぐれで
ダメだという社長。しかしそんな会話を聞いて汰朗は自分こそ
会社の犬だと実感する。

汰朗は何時の頃からか肉が食べられなくなっていた。
妻子も汰朗に併せる格好でいつの間にか肉よりも魚を好む体質
になっていた。

汰朗の部下、仙道は今日リストラで会社を去ることになっていた。
食堂で食事していた、汰朗の元に行くと、汰朗は彼に何か用が
有るのか?と問われる。ねぎらいの言葉とか無いのか?とするが、
部長の座右の目は人に期待しない事でしたねと告げる。それは
人から裏切られるのを拒み、自分が傷つきたくない為のものだ
ろうと指摘。だから自分も部長には期待しないことにしたという。
仙道は課長に味噌汁をかけて食堂を出て行く。

汰朗は何時の頃からか肉を食べなくなった。
子供の頃、汰朗の親戚が集まる中で、真冬に余興で行水をかけ
られたのである。樽一杯の水を被ることが出来れば高級牛を
一切れ食べさせると言われ、大人の期待通りに水を浴びる。
そんなに肉など食べたいとは感じなかった。肉を食べないのは
大人達に応える気がするからだという。

金井からハンカチを手渡された汰朗は、助かったと告げる。
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汰朗は幼少期に大人によって虐待に近いものを受け、そんな
大人から背負わされた期待感に応えることを拒み、そんな所から
他人に対しても期待しない性格に至ったことを知る。

自分よりも弱い存在でも有るネコとのふれあいによって、
無条件に愛情を注いで優しくなれる汰朗。
そんな彼が期待されてしまうという事で、再び期待を背負う
ことの重責を担うと共に、汰朗の中でも変革が起きていく。

金井からハンカチを差し出されたりするシーンは、過去に行水
を受けたときの母親の存在みたいなものがあるし、ペット店や
動物病院の女医さんから期待されてしまう事で、不思議と
汰朗の中に受け入れていく物が有る。

女医さんの妖艶さに惑わされているところは、今まで汰朗が
貫いてきた信念は一体何だったのかという事にも繋がるけど、
まぁ彼も男なんだろうね。

自分が傷つく事を恐れて他人に期待しないというのは分かる
けど、逆に他人を遠ざけることで傷ついてしまっている姿が
有るのも確か。
社長がまた自分が仕事をさせているにも関わらず、嫌みな事を
言う所が益々汰朗を意固地にさせてしまう原因だったね。