パンドラ

脚本/井上由美子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora/top.html


第1話


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港東大学病院の研究員として働く鈴木秀樹は、今までの15年間
ヒトデを用いた抗ガン剤の研究に全てを投じていた。その為
家庭を捨て、同僚達からは変人扱い。
この日も海中からヒトデの採取を行うところを、刑事の的場
真一と遭遇する。一目見れば大抵の職業を見抜けるという的場
も鈴木を見て素性は全く想像できなかった。
鈴木は採取したヒトデを水槽に入れると、研究の結果に目を
通す。するとマウスを使って行っていたガン細胞の研究で異変
を目撃する。体内から全てのガン細胞が取り除かれたのである。
すぐに教授である大田黒の元に行き、事情を説明し人間を使っ
た治験の許可をもらおうとする。しかし現在の医学に於いて
そんな薬が有るはずはないと一蹴される。

的場は殺人事件の情報を追っていた。
被害者の男性は40台後半の男。頭部を鈍器で殴られており、
脳挫傷による死亡。現場検証を行っていると、被害者の耳の
中から一枚のレシートが出てくる。"うさぎのお城"と書かれた
もの。市内にあるラブホテルのレシートだった。すぐに調査の
為ホテルを訪れる。
ホテルの受付から、今監視カメラに映る少女と被害者の男性が
一緒にホテルに来ていたのを知る。すぐに捕まえに行くが、
彼女は気がつき得意のスケートボードで逃げてしまう。

鈴木はかつては大学病院で活躍していた緑川の元を訪れ、
協力を仰ぐ。ヒトデの再生能力に目を付けた所を関心される
が、私は大学を追われた人間であり力を貸せないという。更に
彼がやろうとしている人間に対する治験について否定的な見解
を見せた。ガンの撲滅は人類の悲願だとするとが、焦っては
いけないと諭される。一度世の中に出たら取り返しの付かない
事も有るとするが、鈴木は納得がいかなかった。
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2008年の4月頃にWOWOWで放送していたドラマ。
海外ドラマを意識して製作されたという。

ドラマは人類の悲願であるガンの特効薬について描いた話だ。
初回はこの薬を鈴木が発見し、末期的な患者・水野愛美に
対して投与するという展開だった。

この特効薬を発見したことでどんな波及効果が存在するのか。
ドラマとしては発見が必ずしも良い方向には繋がらないとする
否定的な見解の元で進行する。
日本人の3人に1人はガンで亡くなるという例をあげ、もしも
ガンで人が亡くならなくなれば平均寿命は100歳を超え、
年金・保険システムの壊滅を意味し、ビジネス地図が塗り変わり
戦争が起こる可能性が有るとのこと。

途中の展開の中で厚生労働大臣が承認した薬害に対して全面
救済を行うという会見が行われていたが、この先この大臣も
腰が抜けるほどの展開が待っているのかも知れない。

極論ばかりが展開される中で、患者の副作用も気になる所だ。
どうせ亡くなる身だからと安易に人体実験を引き受けてしまっ
た訳だが、今後この少女の身に何が起こるのか。

この偉大なる発見、一つの利権を巡って人間関係の醜さや
執着心を見ることにも繋がっていくのか。

新外科センター紀行パーティーなど開かれていたが、
ガンが薬で治ってしまうと病院にとっても利益が極端に減る
ハズ。この新外科センターも必要なくなってしまうのかも知れ
ない。

更に殺された男とガン治療の患者の接点は単なる援交だけの
関係なのか。

鈴木秀樹 ……… 三上博史 (港東大学病院・内科医)
的場真一 ……… 柳葉敏郎 (刑事)
飯田小夜子 ……… 小西真奈美 (港東大学病院・外科医)
水野愛美 ……… 谷村美月 (ガン患者)

大田黒茂行 ……… 國村隼 (港東大学病院・医学部長)
太刀川春夫 ……… 山本耕史 (新聞記者)
深見甚一郎 ……… 小野武彦 (厚生労働大臣)
朋田省吾 ……… 平田満 (朋栄ホスピス・理事長)
沼部義広 ……… 相島一之 (厚生労働大臣・秘書)
緑川富士夫 ……… 山本圭 (緑川病院・医師)
門脇ちか ……… 上原美佐 (医学部長の秘書)
桂ひとみ ……… 吉瀬美智子 (鈴木秀樹の元妻)

宮城健太郎、メイサツキ、山根和馬、田窪一世、児玉頼信
岸博之、森富士夫、高桑満、窪園純一、横江泰宣、寺岡泉美
石原誠、藤田三三三、横川康次、米山辰徳、牧原颯也
内田ちひろ、横溝麻衣

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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