パンドラ

脚本/井上由美子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora/top.html


第4話


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愛美が見つかり副作用によって高熱で呼吸困難を生じている
という。連絡を受けた小夜子はすぐに鈴木とコンタクトを
取り二人で朋田の元へと急ぐ。朋田は二人に対しては自分は
被害者である事を訴える。そして愛美からガン治療の事を
聞いたことを語り、これを言わない変わりに自分の父の会社
で発表して欲しいと条件を付ける。鈴木は彼女にもしもの事が
有れば新薬の開発もこれまでだと説明する。彼女の治療中に
起こった変異ウィルスを純粋培養して抽出しなければならない
事を告げ、必要な道具を揃えて欲しいという。そして朋田が
道具を揃えに出かけたのを見て鈴木は愛美と小夜子を連れて
この家から出ることにする。

一方深見は退院する運びとなる。総理大臣と会う前に大田黒
に電話する。そして彼にこれは国家的事業になる可能性を
告げ今度総理大臣に会って欲しいと大田黒を説得。すると
彼はそれはまだ時期尚早で、鈴木にデータと治験者を盗まれた
事を告げた。

鈴木たちは彼の知り合いだという大西病院を訪れる。
小夜子にはすぐに逃げられる様車の中で用意しておいて
欲しいと告げ一人で愛美を抱えて病院にいく鈴木。しかし
鈴木は病院に行くフリをして、こっそり裏から小夜子の
元から逃げ出す。

首相と会う深見。しかし事情を説明し、新薬の発表にはまだ
時間がかかることを説明する。

一方警察は高速道路に設置してあるカメラで鈴木たちが愛美
と一緒に居るのを掴んでいた。
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この研究を守るために嘘を付く人、この研究の成果を横取り
したくて嘘を付く人、色んな人の嘘に囲まれる話だった。

やはり面白いのは鈴木秀樹が持つ流れだ。
この人の口から飛び出す事は何処までが本当のことなのか
皆目見当が付かない。治験者の中から変異ウィルスを純粋培養
して抽出しないと本当に新薬は出来ないのかとか、そもそも
治験者の中でウィルスが変異したというのは本当のことなのか。

ただ一つだけ言えるのは、母をガンで亡くしガンに対する拘り
だけは人一倍持っているという事だろう。

女性が体を売って目的の金を得ることと、研究者が目的の為に
ガン患者の体を利用すること、その二つの違いは何なのか。
どちらも同じだとする愛美の言葉がなんとも反論しづらく、
やはり新薬開発のためとはいえ、治験としての方法論には
多分に論議の余地有りと言った感じ。

愛美が美人局で男性を殺したというのも本当だった様子。
勿論意図しないこととはいえ、殺害してしまう様な事をした
のは確かだ。

ドラマとして盛り上がったのは、大田黒の要請で手を組んだ
深見厚生労働大臣の圧力で、警察が一連の事件の捜査を中止
せざるを得ないこと。そして新たな爆弾として緑川病院の
富士夫が一連の争奪戦に参加しそうな雰囲気を持つ流れで
あることか。

ちかが小夜子に密告する流れというのも面白いが、この流れ
が何処まで鈴木に近づけるのか未知数。一番近くにいる感じ
では有るがゴールとしては一番遠いような気がする。

そして冒頭から細々と薬害ボニッパル事件を取り上げているが
この事件の世間的な批判の流れを回避するために、新薬開発
の発表で打ち消そうとする深見の国家権力を使った流れは、
今後ともドラマの主流になりそう。

鈴木秀樹 ……… 三上博史 (港東大学病院・内科医)
的場真一 ……… 柳葉敏郎 (刑事)
飯田小夜子 ……… 小西真奈美 (港東大学病院・外科医)
水野愛美 ……… 谷村美月 (ガン患者)

大田黒茂行 ……… 國村隼 (港東大学病院・医学部長)
太刀川春夫 ……… 山本耕史 (新聞記者)
深見甚一郎 ……… 小野武彦 (厚生労働大臣)
朋田省吾 ……… 平田満 (朋栄ホスピス・理事長)
沼部義広 ……… 相島一之 (厚生労働大臣・秘書)
緑川富士夫 ……… 山本圭 (緑川病院・医師)
門脇ちか ……… 上原美佐 (医学部長の秘書)
桂ひとみ ……… 吉瀬美智子 (鈴木秀樹の元妻)

ワタセ・マモル ……… 山根和馬 (愛美の男友達)
竹下 ……… 宮城健太郎 (的場の部下)
総理大臣 ……… 有川博
森村静夫 ……… 田窪一世 (被害者)
平石徳子 ……… 余貴美子 (長官)

榊英雄、児玉頼信、平山祐介、斧アツシ、屋根真樹
島岡安芸和、本多隆二

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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