パンドラ

脚本/井上由美子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora/top.html


第5話


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愛美を返せ!
マモルは連れ回して殺したと思い込んでいる朋田に詰め寄り
復讐の意味を込めてナイフで刺す。
その情報はすぐに春夫の元にも伝わり現場へと急ぐ。
春夫はすぐに小夜子にも連絡を入れ、一連の事件に関わって
居る人が傷つけられている現状を伝え、これ以上関わらない事
を告げる。
一方鈴木の居所を知るちかはその情報を小夜子に伝えた。
彼女の目的は金ではなく、大田黒が死ぬほど嫌いであり、彼が
探しているものを隠して困らせたいと考えていた。

一方緑川病院に一晩匿ってもらった鈴木と治験者の愛美。
緑川は鈴木を説得。愛美を警察に自首させ、大学に戻るべき
だと告げる。研究を横から奪おうとした大田黒の元には戻れな
いと告げるものの、緑川から一番守るべきものは何なのかを
考えるべきだと諭され、鈴木は大学病院へと足を運ぶ事にする。

的場は品川事件の捜査は中止するよう上司から圧力をかけられ
たが、未だマモルを追っていた。追う過程でマモルが落とした
携帯電話を拾う。そんな的場に黒服の男性が二人近づいてくる。
的場はすぐにそれらが公安のものだとわかり、一連の事件を
中止させたのも彼らである事を悟る。
公安は的場の中国人の奥さんの事を挙げ、本来ならば警察に
居られない身である事を告げ、これ以上捜査をするなと圧力
をかけてきた。
一方春夫はその様子を見ていた。
公安が居なくなった時を見計らい、的場に接触。この事件は
愛美が関係しているのか尋ねる。秘密裏に捜査していたのに
早くもマスコミに愛美の名前が漏れている事に驚きを見せる
的場。的場は公務執行妨害を装い、春夫に記事をマスコミに
リークするよう語る。
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凄く面白い展開になってきましたね。

マスコミにリークして記事として世間に公表する事にどれ程
の影響力が有るのか想像出来るものが無かったが、展開を
見て納得した。
ただ太刀川春夫がリークしたからと言ってこんなにも早く
雑誌掲載に反映されるものなのかという不自然さは有った。

まさか雑誌への掲載が鈴木をあぶり出すような展開になると
は思わなかった。
面白いのは逃げている筈なのに巡り巡って結局元の場所に
戻って来るという展開を用意したこと。
一度は緑川の説得によって大学病院に足を向けた際、やっ
ぱり大田黒は嫌なやつであることを実感する。しかし
大田黒にとっても鈴木を怒らせて良いはずはない訳で、
彼が自信ありげに鈴木を説得するわけでもなく自分の主張
ばかりを押しつける余裕さはどこから来るのかが、今回の
ポイントの一つだろうか。

的場と春夫が手を組むというのもドラマとしては面白い流れ。
的場の奥さんは中国人のようだが、的場のことを刑事をやって
いられる様な身分でもないと言った所を見ると、奥さんは
不法に残留しているという経緯が有るのだろうか?
刑事は基本的に身内に前科者が居ると出来ない職業だよなぁ。

的場がマモルの携帯を手にして愛美をおびき出す流れも
良くできていた。
今回の展開の中で一番人間不信に陥るのは間違いなく愛美
だろう。小夜子の接触の仕方といい、突然雑誌に掲載されて
しまった件といい、誰を信じて良いのか分からなくなって
いるのではないか。

的場がガンを患った過去が有るというのも驚き。
この事件に固執する理由の中に複雑な葛藤を上手く持ち込んで
いる感じはする。

そして最後に厚生労働大臣・秘書の沼部の視線が気になるね。

鈴木秀樹 ……… 三上博史 (港東大学病院・内科医)
的場真一 ……… 柳葉敏郎 (刑事)
飯田小夜子 ……… 小西真奈美 (港東大学病院・外科医)
水野愛美 ……… 谷村美月 (ガン患者)

大田黒茂行 ……… 國村隼 (港東大学病院・医学部長)
太刀川春夫 ……… 山本耕史 (新聞記者)
深見甚一郎 ……… 小野武彦 (厚生労働大臣)
朋田省吾 ……… 平田満 (朋栄ホスピス・理事長)
沼部義広 ……… 相島一之 (厚生労働大臣・秘書)
緑川富士夫 ……… 山本圭 (緑川病院・医師)
門脇ちか ……… 上原美佐 (医学部長の秘書)
桂ひとみ ……… 吉瀬美智子 (鈴木秀樹の元妻)

ワタセ・マモル ……… 山根和馬 (愛美の男友達)
竹下 ……… 宮城健太郎 (的場の部下)
総理大臣 ……… 有川博
森村静夫 ……… 田窪一世 (被害者)
平石徳子 ……… 余貴美子 (長官)

武田義晴、青木一、堤匡孝、小和田貢平、大門賢二
島岡安芸和、王汀

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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