パンドラ

脚本/井上由美子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora/top.html


第6話


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国家という医療には数々の悲劇がある。特に戦時下では・・

今回の一連の事件について記事としてまとめ上げる春夫。
政府を敵に回す記事を世に出せるわけがないという的場。
春夫は今の仕事場を辞める覚悟で記事を書くつもりであり、
的場に協力を求める。

鈴木は人が変わったように大学病院で研究に没頭する。
緑川から連絡があり、医学者が権力の言いなりになったら
おしまいだと忠告するも、鈴木は発想の転換をすることにした
と告げる。政府を最大限利用し、栄光に向かって走り始める
という。それには悪魔に魂を売らねばならないことでも有った。

大田黒は一連の騒ぎょ収集する為に記者会見を開く。
数ある傘下の研究グループの一つが画期的な成果を上げている
のは事実だが、まだ発表できる段階ではないことを告げる。

一方入院中の朋田はこの記者会見を見ていた。そんな彼の元に
父がやってくる。息子に向かってお前にしては良いところに
目をつけたという。治験はウチで行われたのだから、製造を
手がけるのは当然ウチだという。これまでアメリカにやられて
来たが最後の意地を見せると告げる。

治験者である愛美の体内から変異したウィルスを取り出そうと
する鈴木。そんな彼に愛美はこんなことをするようなやつに
薬を渡しても良いのかと尋ねる。私たちは共犯者だと告げる
が鈴木はそれを否定し、君はただのモルモットに過ぎないと
語るのだった。
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いよいよ現実的に新薬の研究が進んでいく。

ドラマとしては現実を悟った鈴木が逆に政府や施設を利用
してやると息巻くわけだが、この辺の変わり具合にやや
無理が有るのではないかという気がする。
人格までも変わってしまうというのは、現実的ではない。
医師としての倫理の件に於いては、違法な治験の下で実験を
したときの方が明らかに衝撃的なので、この時点で鈴木が
悪魔に魂を売るという意図が実に分かりづらい展開な気が
する。

タイトルは怒りだが、どちらかというと本性だったり、まだ
見ぬ恐怖といった感じを受ける展開だ。

ドラマでは悪い方向へと変わる人もいれば、良い方向
へと変わる人もいる。良い方向へと変わり始めた筆頭は
小夜子だ。緑川の死を犠牲にするようなやり方に疑問を
持ち始めた訳だが、それと同時にもっと巨大な陰謀が背後で
息巻いている様子が表現されていると、より真実味を帯びる
展開になったのかもしれない。

今回は初回に殺されていたボニッパル薬害の被害者が殺害
された件で新たな事実が明らかになる。
沼部が暗躍し始めたわけだが、彼の活躍と腹黒さは今回に
始まったわけではなく、既に初回から始まっていたという
時点で衝撃的な展開だった。

無能な厚生労働大臣になり変わり、沼部と平石徳子が手を
取り合って動いていること。
そして的場と太刀川がマモルを引き入れ、事件解決のために
動き出した所などとても面白い部分だと思う。

ちょっと鈴木の心情と共に不自然なのは、朋田とその父親の
絡ませ方だろうね。違法な治験者を受け入れた時点で既に
腹黒さは露呈していたわけだけど、政府と繋がりがあるって
いうのはちょっと出来過ぎ。

さて治験者である愛美はこのままおとなしく消されてしまう
のか?

鈴木秀樹 ……… 三上博史 (港東大学病院・内科医)
的場真一 ……… 柳葉敏郎 (刑事)
飯田小夜子 ……… 小西真奈美 (港東大学病院・外科医)
水野愛美 ……… 谷村美月 (ガン患者)

大田黒茂行 ……… 國村隼 (港東大学病院・医学部長)
太刀川春夫 ……… 山本耕史 (新聞記者)
深見甚一郎 ……… 小野武彦 (厚生労働大臣)
朋田省吾 ……… 平田満 (朋栄ホスピス・理事長)
沼部義広 ……… 相島一之 (厚生労働大臣・秘書)
緑川富士夫 ……… 山本圭 (緑川病院・医師)
門脇ちか ……… 上原美佐 (医学部長の秘書)
桂ひとみ ……… 吉瀬美智子 (鈴木秀樹の元妻)

ワタセ・マモル ……… 山根和馬 (愛美の男友達)
竹下 ……… 宮城健太郎 (的場の部下)
総理大臣 ……… 有川博
森村静夫 ……… 田窪一世 (被害者)
平石徳子 ……… 余貴美子 (長官)

青木一、堤匡孝、大橋てつじ、高野三枝、王汀
WEIDERBOYZ、織本順吉

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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