第9話 アジの開き
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二日連続として、見慣れないばあさんが、めしやに朝食を取り
にくる。食後にタバコを一服。最近の東京は禁煙の場所が
多いので生きづらくなったとマスターに愚痴る彼女。仕事は
子供に引き継いだので今は引退したという彼女は、熊本から
上京してきたのだという。元々は東京出身で夫が熊本の人だと
するが既にその夫は他界。
そんな中、地方巡業で深夜バスで東京に戻ってきたマリリンが
店にやってくる。マリリンは隣で座って一服していた客の
八千代に話しかける。自分はダンサーだと語る。
そんな中、パチンコ屋でもマリリンと八千代と偶然出会う。
八千代が玉を与え、更には出る台を教えてもらったお陰で
マリリンは大勝する。意気投合した二人は一緒に再びめしやを
訪れる。
店で常連客と会話する中で、八千代は突然マリリンに対して
あなたの踊りをみたいという。彼女がストリップだと知らない
であろう八千代に対して、マリリンは魅せてあげるとして
連れて行くのはクラブだった。しかし八千代はそんな場所でも
見事にとけ込み、若者に負けない踊りを見せる。
昔取った杵柄だとし、年を重ねている分、色々と経験している
事を語る。マリリンはそんな八千代を新宿ゴールデン街へと
連れて行くと自分の職場に連れて行くと、ダンサーと言ったが
実はストリッパーだと語る。
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突如現れた和服の女性八千代。
常連客は何処かで見たことが有るとして思い出すと、40年くら
い前に伝説のストリッパーとして、この界隈を賑わせたローズ
八千代だと分かる。八千代は現在ストリッパーとして苦労して
いるマリリンにアドバイスし、誇りを持つよう告げる。
なかなかストリッパーで誇りを持つというのも難しいものが
有る。ただマリリンの場合、店ではとても人気がある女優な
のでそんなプライドもモテルかも知れないけど、まさに売れな
いストリッパーの場合は、その辺の気持ちの折り合いを何処で
付けたらいいのだろうか。
夜の町とは切っても切れないストリッパー・風俗の存在を
取り上げるところは興味深く、出来ればもっと深い切り口で
マリリンの事を迫って欲しかった。かつてエレクト大木は
故郷の家庭の事情にまで迫ったし、彼女の人生にも波乱に
満ちたドラマが待っていそうだからね。
ダンサー時代に一緒に養成所に通っていた人物と行き違って
しまった人生が切なく映る。
この店に来るのであれば肩書きなど捨てて来なというマスター
のセリフがとても心地よく映った。
マスター / 語り手 - 小林薫 金本 - 金子清文 小道 - 宇野祥平 忠さん - 不破万作 カタギリ - オダギリジョー 小寿々 - 綾田俊樹 ミキ - 須藤理彩 ルミ - 小林麻子 カナ - 吉本菜穂子 ジュン - 玄覺悠子 (ゲイバー) 吉田 - 岩瀬亮 (ジュンの男) 安西 - 剣持直明 (アイドル好き) 諏訪 - 川島潤哉 (アイドル好き) 八千代 - りりィ (元ストリッパーのローズ) 若き日のローズ八千代(回想) - TAMAYO 風間ミッチェル - 米村亮太朗 (マリリンと養成所の同期) 評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0) |
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