空飛ぶタイヤ 原作：池井戸潤 監督：麻生学、鈴木浩介 脚本：前川洋一 プロデューサー：青木泰憲、土橋覚 http://www.wowow.co.jp/dramaw/taiya/

第2話
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赤松は当面の資金繰りの為に今まで融資を受けてきたホープ
銀行の支店長・田坂茂に頼み込んで3千万円の追加融資を頼み
にいく。しかし疑わしきは融資せずだとして、断られてしまう。
今まで困っているときには助けたのにと不満を漏らすも全く
聞き入れてもらえなかった。

そんな中、高崎にある児玉通運の社長・児玉征治から電話が
鳴る。彼から自分たちが被害にあった状況の詳細を教えてもら
い、当時もホープ自動車からは整備不良だと言われたという。
全てはハブの摩耗によってそれを逃していたのが原因だと。
しかし今思うと車両の欠陥なのかも知れない事を口にする。
それを聞いて帰ってきた赤松は宮代の前で、証明するにはハブ
を取り返すことが先決だとして、ホープ自動車に何度も問い
合わせの電話を入れることになる。
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なんだかこのドラマの為ばかりに計算して配置されたなと思う
ほどよく周りのキャラクターを使っているなという感じ。

全てはバランス良く描かれ、銀行と自動車会社の関係だったり
自動車会社と顧客である赤松運送の関係だったり、自動車会社
内部の品質保証部とカスタマー戦略課の対立だったり、
そして何と言っても遺族と赤松運送の関係だったり、
どの要素を見ても興味深く存在している。

ドラマとして面白いのは、力関係がどのように有るのか
が単純明快で有り、弱者が大企業を相手にしてどこまで奮闘
出来るのかが興味深い。

対立が企業間だけでなく、企業対個人のものだったり、個人対
個人のものだったりして、どちらに軍配が上がるのかは
一つの問題が全ての鍵を握っているという事。一つを解き明か
していくと全てのロジックが繋がり、大逆転劇出来るような
仕組みになっている点が今後を期待させる点。逆に負けた側に
とっては一つのミスが完全なる崩壊にも繋がるので、有る意味
それに固執する理由というのが実に上手く説得付けされている。

今回そんな対立の中で目立ったのは、最前線で戦う男性を支え
る女性陣の姿にあった。
被害者遺族から訴えられて、赤松史絵がもう限界だという辺り
には多少の違和感が有るのだが、沢田英里子が夫・悠太のしよ
うとしている事をただして、正しい道へと導く役目を果たす点
など、とても面白くできている。

また今回新たな要素として品質保証部のネットワーク管理の
女性・杉本恭子の存在が浮上する。
ドラマとしては沢田と小牧の盾になるような役柄だが、ネット
ワークのスペシャリストが加わることでより心強いものを
得たような感じ。ただこれが赤松の利益に繋がっていくかは
まだまだ疑問だけどね。

銀行の使い方も面白く、関連企業だとはいえ容易に融資でき
ない様な立場を上手く作っている。佐々木香織の存在は如何
にも井崎一亮の立場を惑わせるためだけに存在しているが、
井崎が組織を優先するのか、それとも客観的事実に基づいて
行動を取るのか楽しみなところだ。

赤松徳郎 …… 仲村トオル (42歳・赤松運送・社長)
宮代直吉 …… 大杉漣 (58歳・赤松運送・専務)
門田駿一 …… 柄本佑 (23歳赤松運送・整備士)

沢田悠太 …… 田辺誠一 (37歳・ホープ自動車・カスタマー戦略課長)
小牧重道 …… 袴田吉彦 (37歳・ホープ自動車・車両製造部課長)
室井秀夫 …… 相島一之 (42歳・ホープ自動車・品質保証部課長)
狩野威 …… 國村隼 (55歳・ホープ自動車・常務)

井崎一亮 …… 萩原聖人 (36歳・ホープ銀行・調査役)
巻田三郎 …… 西岡徳馬 (58歳・ホープ銀行・専務)

榎本貴和子 …… 水野美紀 (34歳・週刊潮流記者)
高幡真治 …… 遠藤憲一 (51歳・新港北署刑事)

沢田英里子 …… 本上まなみ (33歳・ラジオDJ。悠太の妻)
佐々木香織 …… ミムラ (28歳・狩野の姪・一亮の婚約者)
赤松史絵 …… 戸田菜穂 (35歳・PTA会長)
赤松拓郎 …… 小清水一揮 (10歳・赤松の息子)
柚木雅史 …… 甲本雅裕 (39歳・被害者の夫)
柚木妙子 …… 山口もえ

杉本恭子 …… 尾野真千子 (品質保証部)
児玉征治 …… 斎藤洋介 (児玉通運社長)
中村桂子 …… 大島蓉子 (はるな銀行・支店長)


松本じゅん、中根徹、越村公一、小林且弥、大西武志、木下政治

足立理、矢崎学、野村修一、ミツハシサエ

建蔵、片岡弘鳳

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)