相棒9
(2010年10月期・テレビ朝日水曜21時枠)

脚本:戸田山雅司
監督:和泉聖治

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/


第1話 顔のない男
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木村は訓練中に蛇をみて驚く。隊員の篠原や上官の上遠野は
そんな彼を落ち着かせる。施設に着くと一帯を爆破するが、
木村が発狂し手に負えなくなったために、上遠野自ら銃を向け
て彼を始末する。

吉野茂久は赤坂の行きつけのバー"樽"で一杯飲んでいると、
突然妻で女流作家の人気女流作家・水元湘子からメールが入る。
先に寝ているとの内容だった。

翌日遺体が発見される。
遺体は水元湘子(41歳)。右京は米沢に呼び出されて現場にやって
くる。伊丹たち一課の刑事は右京が現場に来たことを煙たがる
が、米沢自ら私が呼んだが問題があるのか?と凄みを利かせた
為に伊丹も強くは口出しできなくなる。

米沢によると遺体は左手首の動脈を鋭利な刃物で切られており
おそらく現場に落ちていたキッチンナイフが凶器だろうという。
しかし床の血液が拭き取られて居て一切血の跡が無いという。
サイドボードが開いていた為に、夫であり第一発見者の茂久に
無くなったものが無いか尋ねると、妻の写真と原稿が無くなって
いるとのこと。
茂久から話を聞くと夫は残業で、帰宅の途中で赤坂の行きつけ
のバーで飲んだという。その際 AM3時10分頃に妻からメールが
届いたとのこと。そのバーには明け方の5時まで飲んでいて、
帰宅すると遺体を発見したという。夫の茂久は出版社・白秋社
の社長をしていた。

右京は現場を調べる。
浴槽から血痕は出たのか調べ、ゴミ箱から1998年産シャトー
マンシェットと一切手をつけていないチーズが捨てられていた。
部屋には香水のグランルージュのスイートドリームが置かれて
居た。本棚の資料ファイルをみると、今年に入ってからの資料
が一切無いことに気がつく。彼女の著作本である"堕栗花"が
並べられていた。これは彼女の出世作でありオリオン文学賞を
受賞した作品だと知る。

米沢から現場検証の結果を聞く。
死因は手首の動脈を切られたことによる失血死。死亡推定時刻
はAM2時からAM4時。ドアノブから夫婦以外の指紋が検出される
が、誰のものかは分からないとのこと。
湘子の手帳を調べると、やたらと岡崎敦也の名前が有ることを
知る。

右京たちは話を聞くために白秋社に行くと、そこには既に一課
の刑事が来ていた。彼らは湘子にまとわりついていたストーカー
川芝直哉の事を聞かされる。毎回本を出版すると、もの凄い量
の感想を送って来るという。ネットに殺害を臭わす書き込みを
している事を知る。
右京たちは秘書の橋本智美に、岡崎について尋ねると、25日まで
韓国に出張に行っているという。岡崎はアシスタントで、取材
や資料集めなどを行っているとの事。今回は環境問題について
調べていたという。
一課の刑事たちは川芝に事情を聞くために、彼の自宅である
さつき荘に行くも、彼は家には居なかった。しかし指紋を採取
した結果、被害者宅のドアノブについていた指紋は川芝のもの
だと分かる。

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女流作家が深夜自宅で亡くなって発見される。
家から無くなったものを見ると一見、熱狂的なファンによる
仕業かに思えるが、資料ファイルが見あたらず、小説の為に
集めていた資料には、何らかの大事なネタが含まれていたの
ではないかと疑っていく。

いよいよ相棒のシーズン9。
通常初回は2時間構成だけど、今回は1時間の通常枠で描かれた。

初回だけ有って、冒頭の訓練らしき映像は迫力があったし、
シーズン通してこのネタを引っ張っていくものなのかなと思う
所もあったが、単に2話で完結してしまうのだろうか。
出来れば上遠野隆彦周りのエピソードをシーズンの主柱に
置いて、通常の捜査と上手くシーズンを通して絡ませてほしい
所だ。

さて久しぶりの右京の手腕が光る捜査だった。
断定したものの言い方を避けて、これはあくまで私の主観である
様な口ぶりをしていた所も有るし、二つの意図が隠されている
事件に於いても、二つの流れをきっちりと見極めている右京の
能力が光るものが有った。

香水のニオイとか、ワインの銘柄辺りは神戸に任せていた部分
も有って、上手く事件捜査に於ける棲み分けを作っていくのかな
と思わせる部分である。

携帯電話を使ったアリバイ工作はありがちなものだったが、
発信の基地局を特定してアリバイを崩すという近代っぽい
捜査だったし、小説が遺書である事を、ファンである米沢や
たまきの発言の中から視聴者にもヒントを与えていく所など、
バランスを気遣った内容だったようにも思える。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

上遠野隆彦 …… 徳重聡
篠原孝介 …… 阿部進之介

吉野茂久 …… 近江谷太朗 (白秋社・社長)
吉野湘子 …… 安藤麻吹 (女流作家)
川芝直哉 …… 恩田括 (湘子のファン)
橋田智美 …… 金子久美 (白秋社・社長秘書)
笠井享子 …… 梅宮万紗子 (宏樹の妻)
水元卓蔵 …… 岩尾拓志 (大分建設・会長)
伏見享一良 …… 津嘉山正種 (政界から引退、享子の父)
山根幸博 …… 坂西良太 (豊日商事・運輸部長)

木村彰吾、若林久弥、石井テルユキ、藤代麻美
松川真也、馬渕誉、岩尾拓志、荒井隆人


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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