相棒9 (2010年10月期・テレビ朝日水曜21時枠) 脚本:戸田山雅司(1)(2)(9)(12)、太田愛(3)(5)(13) 櫻井武晴(4)(6)(8) 徳永富彦(7)(14)、古沢良太(10)、ブラジリィー・アン・山田(11) 監督:和泉聖治(1)(2)(10)、近藤俊明(3-6)(12)(13) 東伸児(7)(9)(14)、橋本一(8)(11) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/

第14話 右京のスーツ
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古谷洋服店でスーツを新調する樋村学。対応するのは女性テー
ラーの笹原真紀だった。樋村は新調したスーツをそのまま着て
いくとし、着ていたものは送っておいてくれと頼む。
そんな彼は階段で何者かに殺害されて見つかる。
翌朝すぐに鑑識が入ると、死亡推定時刻は昨晩の9時。
死因は階段の角に頭を強打した事による脳出血だという。
現場にはアタッシュケースの中身が散乱していた。
被害者は新帝都銀行の銀座支店長の樋村学。自宅は品川である
事を考えると、帰り道ではないことが分かる。

一方右京は米沢の元に行くと、オーダーメイドスーツを調査
していることを知る。右京はスーツに博識な一面を持ち、証拠品
の古谷洋服店の店主がロンドンで勉強していてサヴィルロウで
作ったことがあると告げる。
米沢からそのスーツを着ていた人は、融資業績3年間トップ
だった銀行マンだと聞き、敵も多かったことを知る。

右京らは早速樋村家に行くと、妻の小百合から話を聞く。
右京はクローゼットを調べると、クローゼットには細いラベル
の二つボタンのものが並んでいた。鑑識にあったスーツは
クラシカルで太いラベル、そして三つボタンだったし、普段は
英國堂でオーダーメイドスーツを仕立ててもらっていた事を知る。
本店の重役に勧められたものだと妻は語る。

右京は客とテーラーの関係を語る。家族の知らないことも話し
合い知っていたりするのがテーラーだという。そして普通は
情報の漏洩を防ぐためにも銀行などの厳格な会社では同じ
テーラーを使う物だという。

右京らは早速古谷洋服店へいくと、店主の古谷勲と真紀が現れる。
樋村について尋ねると、昨晩応対したのは自分だと真紀は告げ、
夜8時頃来たことを告げる。今朝遺体で見つかったことを語り
アリバイを尋ねると、二人とも店にいたことを告げる。
右京は真紀に対して、一着自分にも見立てて欲しいとするが、
彼女は古い常連客を大切にしたいために一見さんは断っている
事を告げる。しかし古谷は許可しスーツを作ることになる。
スーツの生地は、一宮の低速織機によって織られたものだった。
チャコールグレーの生地を求めると、この生地を決める瞬間が
楽しみだという右京。右京は真紀が採寸に使うメジャーを机の
中に入れている事に気がつく。普通は肌身は出さず持っている
ものだと呟く。
右京は神戸に、真紀が語る言葉が気になる事を告げる。もしか
すると彼女は店を辞めるつもりなのかも知れないと告げる。
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成績優秀の銀行の支店長・樋村学が殺害される。
被害者はいつもとは違うスーツの仕立て屋によるオーダーメード
スーツを着ていたことによって右京は疑問に感じる。
何故彼はあの場で殺害されていたのか。

被害者が何故殺害されていたのか。
生前の彼の姿を見れば、まぁ当然殺されるわなという悪態の数々。

ドラマ自体は右京ワールド全開の話で、他の人が入り込む余地が
無いほどに、右京の触感や嗅覚、知識に頼る事件だった。
スーツなんてそう新調するものでも無いのに、そんな所にまで
詳しい右京さん。手触りだけで違いを見分けるとは、プロのテーラー
もビックリの博識っぷり。

冒頭で真紀は古谷勲からは女性テーラーとして迎入れる事に
難色を示されていたとするが、いつの間にかその流れも、
古谷には前科があり、その苦労を知るからこそ女性テーラーを
受け入れたと結ぶ辺りに、何処となく矛盾が存在する。


安藤がどの程度事件の流れに関与しているのかが、興味深く
描かれ、一人のベテラン仕立て屋との関係が面白いように
浮かび上がってきたし、そんな客との強固な関係が、殺人に
まで発展する程の力を持っている所など、その辺の要素は
面白く描かれていたと思う。