秘密
(2010年10月期・テレ朝金曜23時枠)

脚本:吉田紀子
演出:唐木希浩、高橋伸之
音楽:溝口肇
ゼネラルプロデューサー: 横地郁英
プロデューサー:中川慎子 、太田雅晴

http://www.tv-asahi.co.jp/himitsu


第1話 東野圭吾!!伝説の大ベストセラー心は38才、体は16才の妻
--------------------------------------------------------
直子は娘の藻奈美にそろそろ出掛けるわよと声を掛ける。
夫の平介は仕事のために残り、二人は直子の実家である長野に
里帰りする予定だった。

この日も平凡で穏やかな日だと思っていた平介。有り触れた幸
せに気がつくことなく、妻子を送り出す。何故あの時もっと
二人の姿を見ておかなかったのか。永遠など無いことに何故
気づかなかったのかと、平介は実感する出来事が起こる。

二人はフリージア交通・志賀高原行きの長距離バスに乗って
出発する。直子は、学生時代に平介とよくスキー旅行に来た時
の事を思い出すと娘に告げる。そんな中、バスは大きく揺れ
初めて、ついには崖から転落する。転落する際、直子は娘の
藻奈美の身を守ろうとして、抱きかかえる。
平介はその状況をテレビで見て知る。親友の小坂も、その事故
を聞き電話してくる。

長野総合市民病院へタクシーを飛ばす。10万円を越える料金
を支払うと、病院の周りにはマスコミが囲んでいた。
そこには土谷容子や義父の笠原三郎も駆けつけていた。
三郎は自分がバスを勧めたせいだとして、落ち込む。

医師から事情を聞くと、藻奈美は幸い外傷はないが、意識が
取り戻せないという。しかし直子の方は重症である事を聞く。
しかし意外にも先に目覚めたのは直子だった。平介は直子に
呼びかけると、彼女は藻奈美の顔が見たいという。隣のベッド
に居る藻奈美の姿を見せて、ここに居るから安心しろと告げる。
直子は安心した様に涙を流した後、息を引き取る。
やがて藻奈美は意識を取り戻すが、表情と言葉を失っていた。

直子の葬儀。まだ生きているみたいに綺麗な顔をしている直子。
夫の平介は暫く家のことにも手が付けられなかった。妻に頼ま
れていた庭の花の水やりだけは欠かさずに行う。
平介は医師をしている小坂の元に行く。平介はそこで今まで
人前ではずっとガマンしていた事を告げ、感情を露わにする。
藻奈美に直子のことをどう伝えればいいのか?と小坂に尋ねる。
すると小坂は、お前が全て悪いとし、あの時抜け駆けして直子
とデートしたからだと告げる。

そんな中、病室にいく平介は、藻奈美から声を掛けられる。
ついに声を発したかと思うと、彼女は突然自分を藻奈美では
なく直子だと告げ、私も信じられない事だと告げる。

--------------------------------------------------------

永遠に続く幸せだと思っていた杉田一家。
しかしある時突然搭乗していたバスが崖から転落し、実家に
帰省途中の妻・直子と娘の藻奈美はその事故に巻き込まれてし
まう。妻は娘の無事を知ると同時に命を引き取り、娘は言葉
を失っているが、突然声を発したかと思うと、自分は藻奈美
ではなく直子だという。それを聞いた平介は信じられないと
しながらも、娘が知るはずもない思い出を語ることで、やがて
そんな奇妙な出来事を受け入れていく。

数年前に広末涼子さんが主演した映画として撮影された作品。
ここの所、東野圭吾さんの作品がこの枠で放送される様になっ
たね。

日本のドラマの設定としては時々ある設定で、体と魂が入れ
替わるというもの。
志田未来さんが妻と子供の二役を演じるという事、そして
佐々木蔵之介さんもまた、目の前にいる娘が、妻であるという
現実と視線で接していかねばならない気難しさが存在する。

ドラマとしては徐々に妻の魂が藻奈美の中から消えていくような
切ない展開になると思うが、夫としてみれば、妻と添い遂げて
生きたいのか、娘を取るのかの究極の二択のような状況であり、
何とも酷な心情が描かれていきそうだ。

ドラマとしての見どころとしては、藻奈美の体の中には直子が
居るという事で、これまでの藻奈美のイメージが一新されて
大人びた彼女の姿を見せていく所だろうか。早くも近所の
ミーちゃんを探すおばさんが驚いた表情を見せていたが、
その辺の入れ替わった性格が面白く描かれていくと面白いと思う。

娘と妻という親子とはいえ、違う立場の女性と接していくこと
で、平介の視線の中にも、異性としての女性の姿だったり、
思春期の娘の姿だったりと、その辺の微妙な立場の違いが怪しく
映る内容となっていくのかもしれない。

登校時に多恵子に声を掛けられた平介が仲良くする姿に
藻奈美がちょっとした嫉妬心を描く所など、このドラマの特徴
であり良さが出た部分だと思う。今後こういうシーンがどの様に
描かれていくかだね。


杉田藻奈美 …… 志田未来 (平介と直子の一人娘。私立高校の1年生)
杉田平介 …… 佐々木蔵之介 (妻と娘を心から愛するエンジニア)
橋本多恵子 …… 本仮屋ユイカ (藻奈美の高校の担任)
小坂洋太郎 …… 橋本さとし (平介の大学時代の親友で脳外科医)
吉本和子 …… 池津祥子 (杉田家の隣に住む、詮索好きな主婦)
藤崎和郎 …… 升毅 (印刷会社経営者。遺族会の中心)
川辺由梨絵 …… 林丹丹 (藻奈美の同級生で親友)
相馬春樹 …… 竜星涼 (藻奈美の同級生)
梶川征子 …… 堀内敬子 (梶川の妻)
梶川幸広 …… 吹越満 (バスの運転手)
梶川逸美 …… 日向ななみ
根岸文也 …… 田中圭
杉田直子 …… 石田ひかり (平介の妻)

河原さぶ、村岡希美、有薗芳記、鶯と燕、長谷川公彦、渡辺憲吉
潟山セイキ、加瀬尊朗、上原由恵、藤井亜紀、加藤治、星野晶子
天現寺竜、相原美奈子、中野英樹、加藤直美、橋本宗篤
寺川里奈、前田有紀(アナ)、久保田直子(アナ)、加藤泰平(アナ)
菅原知弥(アナ)、渡仲裕蔵、南香織里、マリオン、大森暁美


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system