秘密
(2010年10月期・テレ朝金曜23時枠)

脚本:吉田紀子
演出:唐木希浩、高橋伸之
音楽:溝口肇
ゼネラルプロデューサー: 横地郁英
プロデューサー:中川慎子 、太田雅晴

http://www.tv-asahi.co.jp/himitsu


第5話 東野圭吾原作〜妊娠!!
--------------------------------------------------------
実家に帰省するも直子の居場所は無かった。
バス転落事故は示談金3600万円という事で一応の決着が付く。
直子はそれでお墓を買おうかと告げ、平介に対してこれからは
平ちゃんをお父さんと呼び藻奈美として生きると語る。

元旦。平介は親子三人で過ごした正月を思い出す。
年賀状は喪中の葉書を出したのに、結構多くの年賀状が届いて
いた。直子は意外な人から年賀状が届いたと告げると、多恵子
先生か?と尋ねる平介。いつから名前で呼ぶようになったのか?
と直子は白い目で見る。
そんな中、喪中にもかかわらず隣人の吉本がやってきて、差し
入れと称して紅白まんじゅうやら昆布、鯛などを持ってくる。

直子は一通り食事を終えると、そろそろ勉強するという。
平介は正月くらいは休んだらどうかと告げるが、いつか戻って
くるであろう藻奈美の為だとして勉強する。平介は直子から
父さんと呼ばれる度に直子で無くなる気がしていた。

休み明けには進路相談の面談が行われる。
相馬も学校に来ていると噂される中、直子は面談の為に先生の
元に行こうとすると、そこで相馬と由梨絵とバッタリ会う。
相馬は特に話すこともないという感じに彼女の前から居なくなる
が、由梨絵は直子に今春樹と付き合っている事を告げる。

多恵子は杉田家にやってくる。
ちょうど帰宅する平介とバッタリ鉢合わせ。多恵子は図書館に
寄るついでに来たとするが、PTAの広報誌の事や藻奈美の事で
話があるという。そして何より急に平介に会いたくなったと告
げるが、驚く平介にもちろん冗談であると語る。

多恵子は杉田家に入ると、こういう家に住むのが夢だという。
先生ならばモテるのですぐにこういう家庭に入れるのではないか
とするが、多恵子は全くモテない事を告げそろそろ婚活も
考えないとダメかも知れないと語る。平介はそれならばボクも
立候補しようかなと告げると、驚いた表情を見せる多恵子に
先ほどの仕返しだと告げ盛り上がる。
多恵子は藻奈美が医学部を志望している事を告げ、確かに成績
はトップだが私立ならばそれなりに金がかかるし、準備すべき
事も有るという。そんな中藻奈美が帰宅する。

藻奈美は先生が帰宅した後、アポなしで来るなんて非常識だと
語る。お父さんに気があるのではないか?と疑い、平介もまた
一番良いコーヒー豆(100g、1200円ナリ)を使っている事を指摘
する。平介は医学部に志望しているなんて初めて聞いたことを
告げると、いずれ話すつもりだったとした上で、藻奈美として
の人生をどう生きるのか考えた事、今までと同じように後悔した
人生は送りたくないという。藻奈美としての人生は、自立した
女性として過ごしたいという直子。藻奈美もそれを望んでおり
男性にしがみついて生きるのは惨めだと語る。直子もそんな風
に思っていたのか?と告げると、決して不幸な人生ではなかった
が、相手が酷い男ならば大変だったこと。今まで平介任せの
人生だった事を指摘し、藻奈美には後悔させたくない事を語る。

--------------------------------------------------------

直子と平介は思惑の違いから徐々にすれ違いが起きてくる。
平介は直子が自分を無視しており、お父さんと呼ばれる事に
違和感を生じ、直子は平介が自分の知らないところで何やら
動き回っている事に不信感を覚えていく。

直子としては藻奈美の為に、実りある人生を送らせようとしたり
自分の後悔している人生に対してやり直ししたい気持ちが有る
のだろうが、有る意味そんな親心が二人の関係を引き裂いている
行動にも繋がっていると思う。
平介の欲求は当然の物で、エロ本を買ってきた平介に対して
そんなに驚くべき事なのだろうか?と少々違和感があった。

映画版での直子というのは、かなり物わかりが良いというか、
男性の欲求に対して結構気遣う姿が有るが、ドラマ版では流れ
がゆっくりしている分、その辺はかなり放置している気がする。

相変わらず周りの人間は、藻奈美の話す姿を見て年上であると
感じているが、それがひやりとする行動に繋がっていない所
は安心して見ていられるというか、逆に刺激の無い内容にも
なっているのかもしれない。

無理に事故の件を忘れさせようとしている流れに対して、
なかなか吹っ切れきれないでいる平介の姿。
墓にしても示談にしても、直子が藻奈美として生きることに
ついても、どれも平介には不本意だと感じている為に、
ストリス要因として存在しているし、容易に忘れさせまいと
する流れも存在していて、その辺に混乱が生じているのかも
知れない。

直子との関係に於いて満たされないものが、梶川家の中には
有るという展開は皮肉たっぷりで上手いシチョエーションの
作り方だったな。

ドラマの展開としては映画版とは違う平介と征子の関係性を
近づけていくものが描かれていくのかと思っていたけど、
彼女は亡くなってしまうのね。


杉田藻奈美 …… 志田未来 (平介と直子の一人娘。私立高校の1年生)
杉田平介 …… 佐々木蔵之介 (妻と娘を心から愛するエンジニア)
橋本多恵子 …… 本仮屋ユイカ (藻奈美の高校の担任)
小坂洋太郎 …… 橋本さとし (平介の大学時代の親友で脳外科医)
吉本和子 …… 池津祥子 (杉田家の隣に住む、詮索好きな主婦)
藤崎和郎 …… 升毅 (印刷会社経営者。遺族会の中心)
川辺由梨絵 …… 林丹丹 (藻奈美の同級生で親友)
相馬春樹 …… 竜星涼 (藻奈美の同級生)
梶川征子 …… 堀内敬子 (梶川の妻)
梶川幸広 …… 吹越満 (バスの運転手)
梶川逸美 …… 日向ななみ (娘、中学2年生)
根岸文也 …… 田中圭
杉田直子 …… 石田ひかり (平介の妻)


山崎大輔、立花彩野、中田寛美、大塚ヒロタ、森山米次
天現寺竜、大神クヒオ、ヒヨドリ来留夫、寺川里奈
松本美咲、青木都、馬場由利恵、上葉あおい、水上ゆうり
諏訪井モニカ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system