悪党 〜重犯罪捜査班〜
(2011年1月期・テレビ朝日・金曜21時枠)

脚本:深沢正樹
演出:小松隆志(1)(2)、塚本連平(3)(4)
音楽:朝倉紀行
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也
プロデューサー:中込卓也、飯田新、川西琢、伊藤達哉

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第4話 少年犯罪被害者の父 復讐の銃口
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5年前に村越亮介を殺害した罪で服役していた和田隆俊(24歳)
は、テレビの前でその反省の弁を述べる。それが好評なのか
色々とマスコミの前で登場する機会が多くなる。その姿を見た
柴田は憤りを感じる。
5年前の事件について、里中は情報を知りたがる。和田を逮捕
した件に於いては、正義と柴田が担当していた事件だった。
当時和田の仲間である
北村一平(24歳)と共に、亮介を殺害。
石崎川で発見された遺体は、全身打撲痕、重度の火傷が見られ
リンチを受けていた事は明らかだったが、和田達は逆に亮介
側から金をせびられたとし、自供を鵜呑みになっていた。
しかしその裏では、事情聴取の場で、被疑者に刑事が暴行した
事で、正義は一週間の謹慎処分。事件が有耶無耶のままに
処理されていた。

テレビ局から出てくる和田を、亮介の父・
健作(57歳)が包丁
片手に襲いかかろうとする。しかし予め和田の周りに張り付いて
いた正義は自らの体でそれを止める。あんたを刑務所に入れた
ら亮介に顔向けできないという。

健作の働く
村越自動車整備所で、正義の手当をしながら話を
する。そんな中、
大倉俊哉という人物が、健作の元に弁当を
届けに来る。大倉は正義が刑事だと知ると、何であいつらが
野放しになっているのかとして激怒するが、健作はその刑事は
違うとして止める。大倉は亡くなった亮介の親友だという。
健作は二人の前で、どうか今は辛抱して欲しいと訴える。

里中は前嶋に正義のことで報告する。
徳永前課長は不慮の事故で間違いないこと。12年前の夫人の
失踪の件に関しては分からないという。前島は里中に対して、
正義と渡り合うには殺すくらいの勢いでぶつからないとダメ
だという。

そんな中、和田がメッタ刺しで殺害される。正義はそれを知って
すぐに健作の元にいくが居なかった。

里中は和田の足取りを追っているウチに、テレビ局の地下駐車場
の監視カメラの映像を手に入れていた。そこには正義と健作が
もみ合っている姿が映っていた。和田に殺意を抱いているのに
何故野放しにしていたのか?とし、5年前に犯した自分のミスの
償いでもしようとしているのか?という。しかしそれを聞いて
いた柴田は、里中に対してあんたに5年前の事何が分かるのかと
告げる。

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5年前の事件に於いて、未成年の青年・和田隆俊からの取調室
での挑発によって、殺人事件で有るにもかかわらず全容を
解明されるまま、中途半端な形で事件は幕を閉じてしまう。
中途半端に取り残された遺族の心情を汲むべく、正義は遺族の
為になんとか解決したいと考えるが・・・

刑事達の悪党っぷりは影を潜めているものの、犯人達の悪党
っぷりは十分に描かれた話だった。
人を殺害しても全く反省しない和田隆俊と北村一平。
そして新たに存在している三人目の容疑者という事で、どの
ようにして、5年前の関係者の中途半端な気持ちに決着をつける
のかが今回のドラマのポイントだった。

決して悪い展開ではないが、それ程良いという印象もない。
里中が正義に対して、どんな人物像なのかを迫る意味では
興味深いエピソードで、正義が今にでも遺族の無念を晴らす
為に犯人を殺害する覚悟があるのに対して、自分にはそれが
無いと実感させる。

容疑者に銃を突きつける行為自体を悪党だとするには少々
物足りなさを感じるが、そんな気持ちを汲んで、遺族が気持ち
に踏ん切りをつけるという展開は決して悪くはなかった。

しかし捜査法などは、ヤクザの村雨組頼りの展開だったし、
多少飽きさせないための工夫が必要かも。

最後に何故健作自身が、今まで良くしてくれた大倉が犯人グル
ープの一味だと分かるのかが謎として残り、それを明かすこと
で、今回の一連の殺人事件の全てが明らかにされる所など、
良くできていた部分かな。

ただ別に正義が手を下さなくても、今回新たに二人を殺害して
いる訳だし、極刑になるんじゃないかと思うところが有った。

法律では裁けない分野を裁く辺りに悪党として結んだ方が
ドラマとしてはしっくりと来るものがあるのかも知れない。

富樫正義 …… 高橋克典 (主任。巡査部長。)
里中啓一郎 …… 小泉孝太郎 (係長。警部補。)
飯沼玲子 …… 内山理名 (刑事。巡査部長。)
柴田安春 …… 鈴木浩介 (刑事。巡査部長。)
山下学 …… 平山浩行 (刑事。巡査部長。)
森川明日香 …… 滝沢沙織 (雑誌記者)
津上譲司 …… 八神蓮 (刑事。巡査部長。)

里中理恵 …… 原田佳奈 (里中の愛妻、専業主婦)
西村和也 …… 敦士 (玲子のヒモ)
平松亜美 …… 松原夏海 (交通課の女性警官)
三枝由美 …… 桃永 (交通課の女性警官)
富樫のぞみ …… 宮武美桜 (富樫の娘。中学二年生)
猪原勇作 …… デビット伊東 (第三係係長。警部補)
藤井佐知代 …… 大森暁美 (富樫の妻・紀子の母親。のぞみの祖母)
石黒孝雄 …… 梅沢富美男 (課長。警部)
前島隆造 …… 村上弘明 (神奈川県警警務部長)


村越健作 …… 斎藤洋介 (遺族、自動車整備工)
大倉俊哉 …… 武田航平 (犯人グループ)
北村一平 …… 菅野篤海 (犯人グループ)
和田隆俊 …… 宮平安春 (犯人グループ)

森永健司、石塚初美、税所伊久磨、木立美鳥、土田アキト


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