CO 移植コーディネーター
(2011年3月・WOWOW・連続ドラマW枠)

監督:生野慈朗(1)、内片輝、塚原あゆ子
音楽:佐藤直紀
脚本:秦建日子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/co/movie.html



第1話
--------------------------------------------------------
清修医科大で脳死判定を受けた子供の臓器が移植される事が
大々的に報道される。臓器を必要としている患者の居る病院に
運ぼうとするも、臓器移植コーディネーターの
倉本和史はそれ
を止める。

6週間前、
田中カズアキが脳死判定を受けたことで、日本臓器
移植サポートセンターから派遣された
大野達郎アキノ
田中の両親に臓器移植の説明をしにいく。しかし息子はまだ
死んでいないとして、達郎は殴られてしまう。

村田フラワーという花屋を経営する村田真司(30歳)は、妻の
須藤亜季の事を病院に送る。彼女は腎臓を悪くしており、週に
三度
あさひ人工透析センターで治療が必要だったのである。
しかしその帰りに村田は交通事故で亡くなる。
村田は
臓器移植意思表示カードを持っていた。

臓器移植コーディネーターの大野と倉本和史は早速説明しに、
彼の両親である
父・武雄と母親に詳細を話す。
大野は元々医療器機メーカーで働いていて、脳波系の器機を
開発製造していた。本来ならば誰かの臓器に頼らない治療が
出来れば良いと思っていたが、現状はそうは行かない。

両親に説明する中、和史は手っ取り早く移植への道筋を立てよう
として遺族の気持ちを無視して、淡々と移植のことを話そうと
する。しかし大野はもっと家族やドナーの気持ちを考えて欲し
いと訴える。我々には家族の意思を誘導する権限はないと告げる。
現場を混乱させる言動は避けるべきだとすると、和史はもっと
シンプルに考えろと告げる。

武雄たちは意思表示カードの説明を求めると、生前村田が
臓器を提供したい意思表示が書かれているものだと告げる。
まだ息をしているのに臓器移植なんてと、武雄は納得いかない
様子だった。
そんな中、妻の亜季が取り乱しているので来て欲しいといわれ
る。亜季は自分が一人で病院に来れば事故にはならなかったと
して責任を感じて号泣していた。
家族の前で村田の意思表示カードを見せると、そこには各臓器
を提供する遺志と共に、ボクの腎臓は妻にあげて欲しいと書か
れていた。これが息子の最後の願いなのかと感じた武雄。
今まで武雄は、透析が必要だった亜季と息子の結婚を認めて
いなかったが、亜季に対して今まで辛く当たったことに謝罪する。

和史は大野に対して、臓器移植は単にいらなくなった人が欲しい
人に与えるもので、泣いたり騒いだりすることではないという。
人間は誰でも死ねば最後には灰になるという。

両親も息子の遺志を尊重するとして、移植に同意する。
大野は今後移植までのスケージュールを説明する。
まずは脳死判定を医師立ち会いの下で決めるもの。そして
本来は臓器の提供には公平性を保つためにも順番は選べない
が、例外として家族には優先的に回せる事を聞かされる。
しかし事実婚などの籍の入っていない婚姻関係の場合には
それに該当しないと言われる。

--------------------------------------------------------

臓器移植法の改正により、15歳未満の臓器移植が可能になった
今日。ドナーとレシピエントを繋ぐ臓器移植コーディネーター
の活躍を描いていく。

色々と法律の抜け穴だったり、臓器移植に際してもっとも懸案
されるべき事項を取り上げ、ドラマを通してその問題に於ける
紹介色の強い内容になりそうだ。

ドラマは15歳未満の移植の是非を問う物語になるのかと思った
けど、初回は臓器移植に関して、ドナーと家族/事実婚に対する
ケースを描いたものだった。

徐々に物語としての本質に迫っていくのかなと思うけど、初回
としてはなかなかこのドラマに視聴者を引き込むだけのドラマ
を用意したと思う。

臓器移植でもっとも懸案となるのは、臓器の受け渡しの公平性
で有り、金銭の授受や権力の介入によって、そのバランスが
乱れることだ。

臓器移植コーディネーターの仕事となると、対象者に対して
特別な感情を移入することは許されないことだし、かといって
淡々としすぎるあまりに、遺族やドナーの気持ちを踏みにじる
事も許されない。なかなか難しい位置にいるキャラクターを
吉岡秀隆&ユースケさんが上手く演じている。この二人には
臓器移植に対する何らかの過去のエピソードが存在しそうだし
その辺も追々分かっていくのかな。

初回の主役は事実婚をしていた須藤亜季の複雑な心情を描いた。
夫が亡くなった事に対して自分の責任を感じつつも、移植される
事を聞いて喜びの感情を持ったことに卑しさを感じてしまう。
更に複雑な事に、籍を入れていない事実婚という事もあって、
故人の意思とは別に、素直に受け入れられない法律上の問題が
存在すること。

元々事実婚自体にメリットやデメリットが存在するわけで、
ここでは完全にデメリットとして存在しているところがなんと
も言えない。

大野達郎 …… 吉岡秀隆 (臓器移植コーディネーター)
倉本和史 …… ユースケ・サンタマリア(臓器移植コーディネーター)
倉本百合 …… 矢田亜希子 (倉本の妻)
倉本真 …… 鈴木福 (倉本の息子)
手塚健 …… 藤本哉汰 (息子・落下して・・)
手塚由比 …… 木村佳乃 (健の母)
手塚隆弘 …… 利重剛 (健の父、町工場経営)
林加奈子 …… 板谷由夏 (週刊ヘッドライン記者)
榎本省吾 …… 豊原功補 (目黒中央署刑事)
立花海斗 …… 木村聖哉 (6歳、拡張型心筋症)
立花美樹 …… 麻生祐未 (母)
村田武雄 …… 中原丈雄 (父親)
須藤亜季 …… 尾野真千子 (村田真司の妻、腎臓を患う)
紺野智恵 …… 木南晴夏
中村恒一 …… 飯田基祐 (厚生労働省職員)
斎藤利通 …… 橋爪功 (斎藤製薬会長)
竹ノ内慎太郎 …… 平田満 (竹ノ内総合病院院長)

村田 …… 泉晶子 (武雄の妻)
立花 …… おかやまはじめ (美樹の夫)


樋口浩二、平栗あつみ、佐藤直子、スズキジュンペイ、加門良
藤本哉汰、田原正浩、壇臣幸、世古陽丸、上村愛香、大窪晶
井筒大介、岡あゆみ、石田博英、宮島岳史、吉本選江
山中誠也、西村武純、中西陽介、永井博章、骨川道夫
斎藤正子、池畑達也、吉元哲郎


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system