CO 移植コーディネーター
(2011年3月・WOWOW・連続ドラマW枠)

監督:生野慈朗(1)、内片輝(2)、塚原あゆ子
音楽:佐藤直紀
脚本:秦建日子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/co/movie.html



第2話
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手塚健(6歳)が自宅マンションのベランダから落下し、夫・隆弘
の車のボンネットの上に落ちる。部屋にいた妻の
由比は叫び声
に気がつき窓から下を除くと、息子が落下したのを知る。

竹ノ内は製薬会社社長・斎藤と会っていた。互いにwin-winの
関係にある二人。
厚労省中村も竹ノ内の移植に積極的な姿勢
を誉めていたという。彼には
慈世病院設立の際に尽力をつくして
もらったのだとの事。

5階から転落した健の事を、
目黒中央署刑事榎本種田
事件性が無いか調べる。不注意な事故である可能性が高いとする
が、榎本は窓に多数付いている子供の手形が目に入る。

そんな中、
紺野真由美(48歳)が動脈瘤で死亡した事に聞きつけ、
大野と和史は、二人で真由美の唯一の遺族である娘の
智恵
会う。患者はドナーカードを持っていなかった事もあり、娘の
意思によっては移植が可能になるケースだった。
大野は彼女に会うと、自分たちは決して移植を進める立場には
無いことを告げ、家族の意思が最も尊重されるべき事であると
立場を明確にする。その上で苦しんでいる患者達への移植とい
う手だてが有ることを告げると、智恵はあっさりと説明されて
も分からないので全てお任せするという。すぐに書類に署名する
と彼女はその場から立ち去る。和史は、この世代は臓器移植に
先入観が無いので、今後は移植医療も躍進するのではないかと
告げる。

週刊ヘッドライン記者林加奈子は取材の過程で、智恵と
接触する。話を聞かせて欲しいという加奈子は、移植に抵抗は
無かったのか?とか事前に母親と話をしていたのか?と尋ねる。
病気の人を助けられると聞いたから同意した事を告げると、
脳死は単に脳が死亡するだけで他の臓器は生きている事を告げる。
少し意地悪な質問である事を前振りした上で、最後を決めると
いうのはどういう気持ちなのか?と尋ねる。心臓を止めるのは
智恵の意思によるものだと言われる。

大野は今後のスケジュールを相談するために智恵の元に行く。
すると智恵は大野に対して、私が母をギロチンにかけるという
事なのか?と尋ねる。心臓を止めるのは私で、私が殺す事だと
記者の人に言われた事を告げる。しかし大野は脳死の段階で
既に人は死を認定されるとして、法律的には脳死の段階で死亡
ということになることを告げる。

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母が亡くなるも、娘とは疎遠関係にあり、娘はあっさりと
臓器移植を承諾する。しかし記者の一人から、死の宣告をする
のは娘の智恵だと言われ気持ちが揺らいでいく。

ドナーの意思が本人だけでなく、家族も出来ることになった
事で、新たにどんな問題が発生するのかを描いた物だった。

設定として少々癖があり、母子が疎遠にあるというのは、まま
有ることだけど、自分たちで親子関係を解消する形で互いに
干渉しないように過ごしているという設定に、やや違和感を
覚えなくもない。

脳死の場合、何処からが死だとされるのか。
心臓が人間を司る最後の砦なのか、それとも脳がそれに該当する
のか難しい物があるけれど、人の死に対してあっさりと気持ち
に踏ん切りが付けられるというのは少々寂しさを浮かび上がら
せる。
そんな気持ちに、少しでも抵抗感を示そうとさせた事で、上手い
感じのドラマに仕上がったね。

脳死だと聞くとハイエナの様に家族の前に現れる臓器移植コー
ディネーター。ただ今回の設定は娘の方から呼び出したみたい
だけど、医師から脳死だと判定されると、必ずそういう選択肢
が有ることを告げられるものだろうか?

病院と葬儀場が提携していて、死の知らせを受けるとすぐに
葬儀場の職員がかけつけるのと同様に、人の死自体がビジネス
のチャンスになってしまうという辺りに、なんとも悲しいもの
が有るね。

なかなか人は親愛な人が亡くなってもすぐには実感が出来ない
ものだと言われるけれど、まさにそんな心境を体現させた
内容では無かろうか。

大野達郎 …… 吉岡秀隆 (臓器移植コーディネーター)
倉本和史 …… ユースケ・サンタマリア(臓器移植コーディネーター)
倉本百合 …… 矢田亜希子 (倉本の妻)
倉本真 …… 鈴木福 (倉本の息子)
手塚健 …… 藤本哉汰 (息子・落下して・・)
手塚由比 …… 木村佳乃 (健の母)
手塚隆弘 …… 利重剛 (健の父、町工場経営)
林加奈子 …… 板谷由夏 (週刊ヘッドライン記者)
榎本省吾 …… 豊原功補 (目黒中央署刑事)
種田 …… 樋口浩二 (目黒中央署刑事)
立花海斗 …… 木村聖哉 (6歳、拡張型心筋症)
立花美樹 …… 麻生祐未 (母)
村田武雄 …… 中原丈雄 (父親)
須藤亜季 …… 尾野真千子 (村田真司の妻、腎臓を患う)
紺野智恵 …… 木南晴夏
中村恒一 …… 飯田基祐 (厚生労働省職員)
斎藤利通 …… 橋爪功 (斎藤製薬会長)
竹ノ内慎太郎 …… 平田満 (竹ノ内総合病院院長)

村田 …… 泉晶子 (武雄の妻)
立花 …… おかやまはじめ (美樹の夫)
移植医師 …… 滝藤賢一


佐藤直子、犬飼若博、加門良
木村聖哉、藤本哉汰、畠山彩奈、朝見姫香、須田琉雅
橋本愛実、入江純、竹本純平、牧村泉三郎、植村りん子
石田由紀子、谷藤太、石母田史朗、古澤宙彦、八尋岳美


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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