CO 移植コーディネーター
(2011年3月・WOWOW・連続ドラマW枠)

監督:生野慈朗(1)、内片輝(2)、塚原あゆ子(3)
音楽:佐藤直紀
脚本:秦建日子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/co/movie.html



第3話
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大野と倉本は6歳児の脳死の知らせを受けて、竹ノ内院長と共に
手塚家の
父・隆弘妻・由比と会う。大野はいつもの手順に
従い脳死後の選択肢の一つとして臓器移植のことを語る。
隆弘は延命措置にかかる費用を尋ねると、大金を払っても結局
助からないという事聞く。由比は子供の体がバラバラになるの
かと尋ねると、摘出後は綺麗に縫合する事を告げる。
臓器移植が良い事だとは思わないが、生きた証として他人の
体の中に息子が生きている事に希望を見出すという隆弘に対して
妻はそれは他人の子であり、健ではないと告げる。

一方健が虐待されていたのではないかと考える
目黒中央署刑事
榎本と種田は病院に来ていた。疑うときりがないが、ベランダ
に立たされていたという証言と、窓に付着していた手形の件で
二人は竹ノ内院長に尋ねる。そしてカルテの提示を求めるが、
事件性が高いのであれば見せるが、医学的見地から見て、体に
は目立った傷はなかったと告げる。
榎本は人が隠し事をするのは利益があるからだと呟く。

倉本は大野に対して、ドナーの家族はどんなに悩んでも結論が
出ない物であり、それならば早い決断が必要である事を告げる。

斎藤は病院へとやってくる。
風船を持って小児科の子供達に配って回る。
斎藤は竹ノ内に会うと、国内初の6歳児の臓器が摘出される場所
を見ておきたかったのだと語る。

目黒区のマンションが6歳児が重傷だという報道を見ていた
立花美樹と夫。夫は美樹の事が気になり、他人の不幸を待つのは
辞めるよう言い聞かせる。

由比は健の生前の時のことを思い出し涙する中、大野が声を
かける。由比はかつてテレビで見たことがあるが、脳死の人が
元気になることはないのか?と尋ねるが、いわゆる植物人間と
脳死の状態は違うのだと告げ、脳全体が機能していない為に
その可能性は現在では無いことが語られる。由比は出来れば
臓器の提供は健と同じくらいの子に上げて欲しいとすると、
公平性を保つためにもこちらから選ぶことが出来ないと告げる。

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6歳児の脳死者が出たことで、いよいよ法改正後、15歳未満の
子供の臓器移植が開始される。
しかし疑問を持つマスコミ、そして刑事は、その事を鋭く
追求していく。

虐待の件で子供を死なせてしまったのではないかとする両親に
複雑な心境をさせるのと同時に、その事実によって移植できな
いとする展開を用意するのかと思ったけど、虐待の件は追々
竹ノ内を追求するときに使われそうなネタって感じだった。

臓器が金や権力によって売買の対象になるのではないかとする
懸念は現実の世界でもあり得る事で、実際に行われてしまって
いるだけに、なんとも言えない所がある。7月14日現在でも
便宜を図って金を受け取ったとかいうニュースが掲載されて
いるし、アメリカで日本人ばかりが手術を受けるのも、一言で
言って金だろうしね。

移植医療がようやく機能し始めるという時に、早速個人の利益
によって、その存在の是非を問うような展開にさせるというのは
なんとも悲しい事で、いけしゃあしゃあと語る斎藤利通に
殺意を覚える展開だった。
凄いことに一切弁明することなく事実を認める辺りの潔さは
有るのだけど、子供のため、家族のためという名分を得て、
妙に自信を持たれても困るというもの。

正直、刑事達がこの一件で虐待を疑うことは良いのだけど、
必要以上に追う辺りに、如何にもドラマっぽさを感じていた。
ただこの虐待の件で、最終的には一連の事件の決定打としそうな
感じだね。

マスコミの存在も実に憎たらしい訳だけど、一連の展開を見る
限りでは、なかなか複雑な感じで、感情の拠り所が実に難しい
気がしてくる。
取りあえず林加奈子が真実を追究するジャーナリズムの精神
以外にどんな事情を抱えているのかが気になる。

大野達郎 …… 吉岡秀隆 (臓器移植コーディネーター)
倉本和史 …… ユースケ・サンタマリア(臓器移植コーディネーター)
倉本百合 …… 矢田亜希子 (倉本の妻)
倉本真 …… 鈴木福 (倉本の息子)
手塚健 …… 藤本哉汰 (息子・落下して・・)
手塚由比 …… 木村佳乃 (健の母)
手塚隆弘 …… 利重剛 (健の父、町工場経営)
林加奈子 …… 板谷由夏 (週刊ヘッドライン記者)
榎本省吾 …… 豊原功補 (目黒中央署刑事)
種田 …… 樋口浩二 (目黒中央署刑事)
立花海斗 …… 木村聖哉 (6歳、拡張型心筋症)
立花美樹 …… 麻生祐未 (母)
村田武雄 …… 中原丈雄 (父親)
須藤亜季 …… 尾野真千子 (村田真司の妻、腎臓を患う)
紺野智恵 …… 木南晴夏
中村恒一 …… 飯田基祐 (厚生労働省職員)
斎藤利通 …… 橋爪功 (斎藤製薬会長)
竹ノ内慎太郎 …… 平田満 (竹ノ内総合病院院長)


村田 …… 泉晶子 (武雄の妻)
立花 …… おかやまはじめ (美樹の夫)
医師 …… 滝藤賢一
医師 …… 犬飼若博
秋野 …… 佐藤直子 (臓器移植コーディネーター)
奥居梨花 …… 畠山彩奈 (斎藤の孫、拡張型心筋症)
倉本百合 …… 浅見姫香 (長女)
編集長 …… 大塚秀記 (林の上司)

加門良、須田琉雅
前田綾花、植村りん子、井上悟、今村均


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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