CO 移植コーディネーター
(2011年3月・WOWOW・連続ドラマW枠)

監督:生野慈朗(1)(5)、内片輝(2)(4)、塚原あゆ子(3)
音楽:佐藤直紀
脚本:秦建日子

http://www.wowow.co.jp/dramaw/co/movie.html





第5話
--------------------------------------------------------
臓器移植コーディネーターが用意したレシピエントリストが
完全に無視されていた事を知る大野たち。

一方倉本和史は
妻・百合が待つ清修医科大病院へとやってくる。
息子の真の登校途中に車が突っ込んできて意識不明の重体だっ
たのである。

その頃臓器移植センターでは、改正後に15歳未満の初の臓器移
植が中止になった件について問い合わせが後を絶たなかった。
大野はアキノから倉本の息子が重傷を負ったことを聞き、病院
へと駆けつける。
大野の姿を見ると倉本は一瞬ビックリした表情を見せる。
手術を終えた医師は、無事手術は終えたが、脳の腫れが引くか
どうかはまだ分からないという。

一方林記者は、
立花美樹に移植提供の件で真実を告げ、竹ノ内
医師によって移植順を変えられた事を語り、
乾弁護士を紹介
される。感染症だなんて適当な理由を付けるなんて許せないと
いう林は、次の病院の受け入れ先を探したという。あんな病院
に預けては置けないと美樹は語る。

倉本は大野に対して、何故お前がいるのか驚いたことを告げる。
俺たちが死に神と呼ばれる理由が分かったという。

一方榎本は、医師達に竹ノ内の指示で虐待を無視したのでしょ
う?と聞いて回る。その頃同時に竹ノ内の元には林記者が訪れ
海斗の母が提訴する事を告げる。榎本はそんな林の姿を見て
彼女に接触する。

倉本は医師から宣告を受ける。その事を大野にも語る。
いつ医師からその話を言われるかと思ったという倉本。自分は
臓器を提供してドナー家族になる事を告げる。
大野は形式上、倉本夫婦にドナーになることについての説明を
行う。

林は美樹に対して榎本を会わせる。
川島医師が、竹ノ内の指示で海斗に感染症扱いにしたことを
証言してくれることになった事を告げる。明日裁判所に起訴状
を提出しようと告げる。

大野は倉本を捜すと彼は屋上で一人佇んでいた。

大野は倉本の妻・百合に会うと夫と出会った時のことを聞かさ
れる。二人は医療事務にいた時代に出会い、臓器移植コーディ
ネーターの仕事をして2年目の頃、倉本もドナー家族に感情移入
していて精神的にしんどい思いをしていたのだという。
一時は仕事を辞めようとしていたが、誰かがやらなければなら
ない仕事だとして、割り切り仕事をし始めたのだという。

--------------------------------------------------------

15歳未満の臓器移植の件で、不正にレシピエントが選ばれた
事で、被害にあった立花家は、竹ノ内医師を訴えようとする。
一方臓器移植コーディネーターをしていた倉本は、自分の息子
がドナーとなる事態が発生する。

今まで冷徹なまでにドナー家族と関わってきた倉本の苦悩、
そしていざそんな自分が説明する側でなく説明される側の
ドナー家族になったときの状況を描いていく。

なんとも意地悪なシナリオだと言わざるを得ないものだけど、
ドラマとしてはもの凄く興味深い話になった。
なかなかドナーと関わる仕事をしていても、ドナーの家族の
気持ちを味わう事など無い訳で、形は違えどそんな体験をして
いる大野と倉本は、今後の仕事に於いてもドナー家族の事を
第一に考えられるであろう経験をした事は言うまでもない。

どうしても他人の事よりも自分の家族の事が優先になるのが
人間としての性だと思うが、そうなるのもやむなしといった
場面を次々と描いていった感じのするドラマだった。

どの場面に於いても二面性というものが存在していて、
提供するもの提供される物、そして選ばれたものと、候補から
外れたものの気持ちを常に対比して描いていったもので、
とても興味深いものとなった。

倉本が最後に輸送されるヘリコプターから臓器を盗み出した
際の映像が、どの流れに繋がっていくのか一話の段階では当然
分からず、その流れは斎藤の不正の件に繋がっていくのかと
思っていたけど、まさか自分の子供がドナーとなる所に
繋がっていくとは思わなかった。

不正の件で全てを解決しない流れもリアルだし、竹ノ内や
斎藤が未だにのうのうとしている所は、なんとも苦々しい。
政府側の人間も全く罰せられていないしね。

結局由比さんは虐待として何らかの社会的罰が有ったのだろう
か?

大野達郎 …… 吉岡秀隆 (臓器移植コーディネーター)
倉本和史 …… ユースケ・サンタマリア(臓器移植コーディネーター)
倉本百合 …… 矢田亜希子 (倉本の妻)
倉本真 …… 鈴木福 (倉本の息子)
手塚健 …… 藤本哉汰 (息子・落下して・・)
手塚由比 …… 木村佳乃 (健の母)
手塚隆弘 …… 利重剛 (健の父、町工場経営)
林加奈子 …… 板谷由夏 (週刊ヘッドライン記者)
榎本省吾 …… 豊原功補 (目黒中央署刑事)
種田 …… 樋口浩二 (目黒中央署刑事)
立花海斗 …… 木村聖哉 (6歳、拡張型心筋症)
立花美樹 …… 麻生祐未 (母)
村田武雄 …… 中原丈雄 (父親)
須藤亜季 …… 尾野真千子 (村田真司の妻、腎臓を患う)
紺野智恵 …… 木南晴夏
中村恒一 …… 飯田基祐 (厚生労働省職員)
斎藤利通 …… 橋爪功 (斎藤製薬会長)
竹ノ内慎太郎 …… 平田満 (竹ノ内総合病院院長)


村田 …… 泉晶子 (武雄の妻)
立花 …… おかやまはじめ (美樹の夫)
医師 …… 滝藤賢一
医師 …… 犬飼若博
秋野 …… 佐藤直子 (臓器移植コーディネーター)
奥居梨花 …… 畠山彩奈 (斎藤の孫、拡張型心筋症)
倉本百合 …… 浅見姫香 (長女)

河野洋一郎、矢柴俊博、中島久之、沖田健次郎、窪園純一
沼田隆兵、上村愛香、佐藤裕、竹本聡子、松山美雪
迫田孝也、岡崎宏、永井博章、佐藤太三夫、骨川道夫


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system