デカワンコ (2011年1月期・日本テレビ・土曜21時枠) 脚本 - 伴一彦 原作 - 森本梢子 音楽 - 小西康陽 プロデューサー - 次屋尚 / 大塚英治 チーフプロデューサー - 田中芳樹 演出 - 中島悟 / 国本雅広 / 久保田充 http://www.ntv.co.jp/dekawanko/

第9話 警察犬が喋った!?
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チャンコの大腸ポリープ手術は無事終わり、捜査一課の面々は
ミハイルの父の命日に墓参りに来ていた。
田村もミハイルを連れて墓にやってくる。彼によると鑑識課に
移り初めて担当した犬がミハイルの父だったという。深い信頼
関係にあり相棒のようだったという。ミハイルの父が活躍した
のは1996年から2006年。僅か10年だった。警察犬は普通の犬よ
りも寿命が短いという。現在のミハイルも既に8歳だった。

そんな中、田村そして門馬に電話が鳴る。
殺しが発生したというのである。すぐに現場に行く一課の捜査
官たち。

殺されたのは東京タワー公園。
被害者は東海林肇。芝商店会で洋品店を経営していた人物だと
いう。現場の足跡を見ると2つのゲソ痕が発見される。
一つは被害者のもので一つは容疑者のものなのか。
ミハイルは昨日も事件で出向したばかりだったので田村は休ま
せたいと感じていたが、現場にかり出される。
ミハイルと一子、二人は臭いを辿り容疑者を追いかけることに
なる。

ミハイルは駐車場まで来るがそこで臭いが途切れる。
一方一子は樋口啓一(27歳)のアパートまでやってくる。樋口は
本屋の二代目で、同じ商店街で商売をしている人物。
一子は臭いを確認し改めて間違いがない事を告げ、樋口を容疑者
として事情を聞くことになる。
ミハイルは間違えてしまったのか。昨日は山狩りでロクに寝て
いないためのものなのか。

重村の取り調べによって、商店会の運営を巡って対立していた
事が明らかになるが、昨夜10時頃のアリバイを聞くと、彼には
友人達と居酒屋"まる屋"で学生時代の友人5人と飲んでいた事
が明らかになる。
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一子は得意の鼻を使ってすぐに殺人事件に於ける容疑者を特定
していくが、何とその人物にはアリバイが有ることを知る。
一方ミハイルもまた見当違いの場所を探している事を知り、
田村はミハイルを引退させるべきかどうかで悩む。

今回は田村の事が描かれる話だった。
彼が何故現在の鑑識課にいるのか。
そして人間に対して苦手意識を持っている彼の事情が描かれる。

冒頭から一子とミハイルのライバル意識の流れが、今回上手く
実を結んだ感じの流れ。

警察犬としての限界、犬の寿命、そして犬と人間の意思疎通の
問題だったり信頼関係であったり、色んな要素が積み上がって
複雑な心情を生んでいく。

一子の鼻捜査に頼りっきりの状態の中、展開としても飽きかけ
ていた所に、上手く鼻捜査を封印して、警察官本来の流れへと
上手く誘導していったと思う。鼻が封印される事での一子の
存在の価値というものが今回のテーマとして浮かびあがってきた
けれど、捜査云々を抜きにしても刑事達が仕事終わりに一子の
部屋に集まってくる関係性が、彼女の存在の価値を上手く物語
っている。

一子のリアクションが最も輝くように上手く魅せている所は
このドラマの特徴的なところで、一貫して良いところ。
可愛らしさはいうまでもなく、今回鼻捜査に失敗し、落ち込む
時の一子の姿だったり、落ち込んだ際にミハイルというライバル
の存在が支えになったり、ちょっぴり感動する流れ。
最後はミハイルに全ての華を持たせるところなど、なかなか
面白くできていた。