冬のサクラ (2011年1月期・TBS・日曜21時枠) 企画：石丸彰彦 原案：戸部真里香 脚本：高橋麻紀 演出：山室大輔(1)(2)、吉田健(3)(4) プロデューサー：高橋正尚、韓哲 http://www.tbs.co.jp/fuyuno-sakura/ http://www.tbs.co.jp/program/fuyunosakura.html

第4話 全て捨てても、君を守る
--------------------------------------------------------
萌奈美が蹲っている所に夫の航一がやってくる。
何かあったのか?という彼に対して、萌奈美は脳腫瘍の件を
話す機会であるにもかかわらず何でもないと告げる。
萌奈美は残りの人生を自身の手で選び取る事を決めたのだった。

東京で萌奈美と再会した祐は佇んでいると、弟の肇から電話が
鳴る。電話している祐があまりに元気がない為に、何か有った
のか?と尋ねると、先ほど萌奈美に逢ったことを語る。肇は
もしかして今東京にいるのか?と告げると、肇の隣にいた安奈は
強引に電話をむしり取ると、一緒に鍋を食べないか?と誘う。
安奈は肇に話ならば直接会って話した方が良いと告げる。

祐は萌奈美が脳腫瘍である事情を全て話すと、安奈は涙する。
肇はそれを聞いても兄に出来ることは何もないという。安奈は
それでも一緒に悲しんでくれる人がいるだけでも精神的に助か
るものだと告げると、肇はいっその事好きだと告白すれば良い
という。今のままでは一緒に悲しんでいる状態ではないという。
しかし安奈は伝えてはいけない気持ちもあると告げる。
祐は彼女はボクと逢えて良かったと言った事を引き合いに出し
て、俺にも出来ることはまだ有ると思うと告げる。

祐は山形に戻ると伯父と伯母に、次の納品が終わればここを辞
めて東京に行く事を語る。

萌奈美の事を検査した医師・橘は、手術を決断できたか?と彼女
に尋ね、手術を受けるにも限界が有るという。一刻も早く手術
しないとならない事を訴える。
そんな萌奈美の前に理恵からメールが有り、逢うことになる。

理恵はイベントに使う啓翁桜の件で、土曜日に一緒に山形に
同行してくれないか?と萌奈美に頼む。萌奈美が答えに倦ねて
いると、彼女は萌奈美に対して窮屈そうだとし、旦那に遠慮
しすぎなのではないか?という。もっと好きに生きた方が良いと
し、人生は一度きりだという。しかしそれでも萌奈美は山形
行きを断る。
理恵はすぐに航一に電話すると、断られた事を語る。
--------------------------------------------------------

祐は萌奈美の為に何とか出来ないかと考え、東京に引っ越しする
事を決意する。そんな中、萌奈美は夫・航一の画策によって
山形行きを決断される。そして萌奈美が祐と逢う瞬間に、突然
二人の前に現れる。

祐の不器用さが周りを苛つかせているけど、視聴者にも十分
ストレス要因として働いている。
ただこうした寡黙さを持ち、性格的貧乏ないい人って何処に
でも居るんだろうな。

今回は航一と祐がとうとう初対面するという展開だった。

妻のことを無視しつつも、やっぱり気になってしまう航一の姿。
自分が萌奈美という人物に好きだと思われる事が嫌なのだろうか。
典型的なエリート意識を持つ男で、母親の教育の賜物という
感じ。
今回航一に会いに行くのも、自分の存在を誇示したかったのか、
それとも妻に対して何でも知り得ていることを知らせて、完全
に支配する為の行動心理なのか。

山形と東京の遠距離も今回で終わりな感じで、これからはゆっ
くりと東京での密会を楽しむようだ。

最後くらいは自分の好きなように生きたいとする気持ちを
後押しする祐の言葉と、羽ばたく意味合いを持つガラス細工の
鳥の置物。
好きな相手には記憶などどうでも良く、ただ生きているだけで
良いと願う気持ちと、生きた屍のような状態を続けるよりも
彼のことを忘れずに死んでいきたいとする葛藤が面白く現れて
いくのかな。
まぁ最終的には、肇の事を引き合いに出して、強迫されるの
だろうけどね。