冬のサクラ
(2011年1月期・TBS・日曜21時枠)

企画:石丸彰彦
原案:戸部真里香
脚本:高橋麻紀
演出:山室大輔(1)(2)(5)(8)、吉田健(3)(4)(7)、韓哲(6)
プロデューサー:高橋正尚、韓哲

http://www.tbs.co.jp/fuyuno-sakura/
http://www.tbs.co.jp/program/fuyunosakura.html



第8話 命が尽きる、その時まで
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山形に来ていた萌奈美に対して、祐と琴美は山形に向かう。
しかし萌奈美は再会すると倒れてしまい、すぐに米沢市立大沼
病院に運ばれる。
ベッドで眠っている萌奈美に対して琴美は、何をしてあげられ
るのか?と尋ねる。

一方航一は萌奈美が山形の病院にいることを聞いてすぐに現地
に向かおうとしていた。理恵からいい加減諦めたらどうか?
とし、貴方には私が居るとするが、お前など最初から相手にして
いないと航一は病院のロビーで大声を張り上げ、彼女の頬を
平手打ちする。

安奈はそんなやりとりを見ていて帰宅した際に肇に話す。
肇はあの人はその内とんでもない事をしそうだと呟く。

萌奈美の目が覚めると、そこには琴美と祐の姿があった。
祐は何も心配するなと告げ、琴美は、ママはここに入院したら
どうか?と問う。桜が咲くのを見たいのでしょう?と語ると、
私は毎週会いに来るからという。それを受けて祐もここで春を
待たないかと語る。

そんな中、航一も病室にやってくる。
突然航一は土下座し、帰ってきて欲しいという。ボクが間違い
だったとし、君の命を助けたかっただけだという。家族三人で
暮らそうとすると、ママはここに入院するのだと告げたのは
琴美だった。ママにとってはここには特別な桜があるという。
萌奈美も家には帰らないとすると、航一はそれならば仕方がない
として、琴音を連れて帰る。
二人っきりになると祐は萌奈美に、琴音はずっと何が出来るのか
考えていたみたいだと告げる。

一方萌奈美は、医師からこの先色んな症状が出ることを聞かさ
れる。私に残された時間はどのくらいか?と尋ねると、明確な
返答はせず、今のウチにやりたいと思うことはやっておいた
方が良いと聞かされる。

祐の元に肇から電話が鳴る。
祐は肇に事情を話し、このまま山形に居ることを告げる。
肇は祐に気持ちをちゃんと伝えなくても良いのか?と問い、
失語症になる可能性がある事を聞かされる。相手の話を理解
出来なくなる症状だとし、思いを伝えるのならば早く伝えた方が
良いと言われる。

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萌奈美の発作、手のしびれ、そして失語症へと症状が重くなって
行く中で、祐は彼女に自分が育った町を見せて回る。
しかしまかり成りにも、萌奈美の事を愛していると思っている
航一が何度も彼女の前に現れては実家に連れ戻そうとする。

今回は萌奈美が死を目の前にする中で、相手の為に何が出来る
のか?という事を突き詰めていく。元々一貫してこのテーマが
描かれていたが、ここに来てその答えの一つを表現したという
感じだろうか。

愛情とは一方的なものではなく、互いの気持ちが通じ合っており
相手のために何かしたい気持ちが有るほどに、その意味合いが
強くなっていくものなのだろう。

琴音は母親のために何が出来るのかを模索し、祐に与えられる
ばかりであった萌奈美も、今の自分に出来る精一杯の事を
彼のために行う。

言葉にしなければ伝わらない思いや、言葉にした途端に薄っぺ
らいものになってしまうリスクが有るとすることで、祐にとって
悩むことになるけれど、実際には上述したとおりに行動で
愛情というものが表現されており、上手い演出の仕方だったと
思う。
近年日本のドラマはどうしても言葉先行の意思の疎通の仕方が
多いけれど、態度で魅せる方法の方が訴えかけるものが多い
と思う。

祐の気持ちが二人の人間を動かした事で、祐自身の存在価値
をより高めた感じがする。
流石に航一にはその気持ちが届きそうにないけど、航一って
猟奇的な奴だけど引き際も結構あっさりとした所があるな。

章子が理恵を一括したことでスッキリする者があったけど、
理恵自身が暴走しそうで怖いな。

稲葉祐 …… 草g剛 (36歳、ガラス工房の職人)
石川萌奈美 …… 今井美樹 (45歳、山形にフラっとやってくる)
稲葉肇 …… 佐藤健 (24歳、祐の弟、東京で医者)
向井安奈 …… 加藤ローサ (24歳、石川総合病院の食堂に勤務)
中里次郎 …… 山崎樹範 (36歳、山形の駐在)
稲葉哲也 …… でんでん (58歳、伯父、百合の弟)
稲葉香織 …… 大島蓉子 (53歳、伯母)
白石理恵 …… 白羽ゆり (38歳、航一の愛人)
稲葉百合 …… 吉田日出子 (63歳、祐の母、認知症、死去)
石川航一 …… 高嶋政伸 (41歳、病院の院長)
石川琴音 …… 森迫永依 (13歳、萌奈美の娘)
石川章子 …… 江波杏子 (71歳、航一の母)
村瀬千尋 …… 遊井亮子 (34歳、実家は啓翁桜の栽培農家)


片岡雄一 …… 篠田三郎

仁科仁美、クォン・サンウ、桜井聖、永田恵悟、迫田孝也
堀田智之、もたい陽子、佐竹海莉


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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