冬のサクラ
(2011年1月期・TBS・日曜21時枠)

企画:石丸彰彦
原案:戸部真里香
脚本:高橋麻紀
演出:山室大輔(1)(2)(5)(8)、吉田健(3)(4)(7)、韓哲(6)
プロデューサー:高橋正尚、韓哲

http://www.tbs.co.jp/fuyuno-sakura/
http://www.tbs.co.jp/program/fuyunosakura.html



第9話 今夜完結!!春は必ず来る…互いに支えあい冷たい冬を乗りこ
えてきた2人-その愛が…そして見守る皆の思いがあふれ…想い出の
桜に“希望”という名の美しい花を咲かせる

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萌奈美が倒れるもなんとか危機的な状況を脱する。
一度は手術に否定した祐も航一に手術を頼みたいと考える。
祐は肇に、もうすぐこの人は消えてしまうと感じたこと。最後
の瞬間が来ることに目を背けていた事。
そんな事には耐えられないとし、生きていて欲しいのだという。

一方航一が手術の執刀をすっぽかして行方をくらませていたこと
に対して、母・章子は医者としてあるまじき行為だと息子に
告げる。しかし航一は自分は医者になりたかったわけではない
とし、親の作った地位と名誉を守るために医者になったのだと
し、それももうどうでも良いと語る。

祐は航一の元に行くと跪いて萌奈美を助けて欲しいと頼む。
死が現実を帯びて怖じけづいたのかとし、航一は断ると告げる。
仮に手術をしても助からないとし、愛する者を失う苦しみを
味わえと吐き捨てるのだった。

祐は肇に、脳神経外科医の名医を知らないか?と告げると、肇
はこれ以上は辞めろという。祐は大切な人を失う気持ちがお前
に分かるわけはないとするが、今の祐は院長と同じ事をしよう
としているとし、苦しくても最後まで萌奈美の為に踏ん張る
べき事を語る。
安奈は肇に祐も間違っている事は分かっていたも、どうしようも
無いのだろうと告げる。

萌奈美の意識が戻る。
祐は萌奈美の傍によると彼女は今まで夢を見ていたという。
丘の上の桜が遠くの方で満開に咲いているが、いざ近付こうと
するとそこは深い雪に包まれ進めなくなるものだという。それ
でもどうしても桜が見たいのでガンバルものだとの事。
あの桜が鼻を咲くのを見るのは私にとっての道しるべだと
告げ、二人で見た桜は大切な思い出だという。祐はそれを聞い
て改めて二人で一緒に桜を見ようと語る。

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萌奈美が目の前で倒れたことで、死というものを意識した
祐は、どうしても彼女に生きていて欲しいと考え、これまでの
主張をねじ曲げ、航一に手術を要請する。しかし肇たちは
その行動は萌奈美の事を考えていないとされ、今の祐に出来る
事をすべきだと諭される。こんな状況でも祐にはやるべき事
が有るのか。

最後に見せた祐の嘘。
希望を持たせるための嘘であり、その辺の要素がもっと感動
的に映れば良かったけれど、どうしても先行きが見える展開
だけに少々トーンは上がらなかった。
ドラマとしての毛色が一色過ぎたという事もあり、地味にドラマ
が展開してしまった印象がある。

相手の事を考える事こそ愛情だとする主張の中で、最後は自分
の為の愛情を求める。それもかなり祐らしく控えめなものだけど、
後悔しないためにも必要な要素だった。

航一周りのエピソードはどれもすり合わせ感が強かったけど、
どれも元通りの正常な日常に戻すためには必要だったのかも。

桜だけでは絵が持たないと感じたのか、最後は空の映像が
自由というキーワードとして浮かび上がってきた。カゴの中の
鳥も羽ばたく為には空の存在は欠かせないものが有るからね。
とても綺麗な映像だった。

2時間の映画版だと恐らくもの凄く感動できる内容なのだろう
けど、少々グダグダした部分も多かった。
ただ落ち着いたトーンの内容は、日本のドラマに求めるべきもの
だと思うので、TBSには追求して欲しい要素だと思う。

祐と萌奈美はある時突然出会った人物ではなく、幼なじみとか
同級生だという設定の方が、恋愛要素に関しては感情移入出来る
ものが多かったのだろうな。
最期の時を看取る介護ケアの若年版みたいな話になって
少々爺臭くなってしまったのは残念だ。

稲葉祐 …… 草g剛 (36歳、ガラス工房の職人)
石川萌奈美 …… 今井美樹 (45歳、山形にフラっとやってくる)
稲葉肇 …… 佐藤健 (24歳、祐の弟、東京で医者)
向井安奈 …… 加藤ローサ (24歳、石川総合病院の食堂に勤務)
中里次郎 …… 山崎樹範 (36歳、山形の駐在)
稲葉哲也 …… でんでん (58歳、伯父、百合の弟)
稲葉香織 …… 大島蓉子 (53歳、伯母)
白石理恵 …… 白羽ゆり (38歳、航一の愛人)
稲葉百合 …… 吉田日出子 (63歳、祐の母、認知症、死去)
石川航一 …… 高嶋政伸 (41歳、病院の院長)
石川琴音 …… 森迫永依 (13歳、萌奈美の娘)
石川章子 …… 江波杏子 (71歳、航一の母)
村瀬千尋 …… 遊井亮子 (34歳、実家は啓翁桜の栽培農家)


菊地均也、桜井聖、迫田孝也、もたい陽子、森康子、国枝量平
升田尚宏(アナ)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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