ヘブンズ・フラワー The Legend of ARCANA
(2011年度1月期、金曜Friday Break枠・TBS)

脚本:大林利江子、泉澤陽子、野高みゆき
チーフプロデューサー:伊與田英徳、杉山剛
プロデューサー:高成麻畝子、佐藤敦司
演出:岡本伸吾、坪井敏雄、棚澤孝義
音楽:仲西匡

http://www.tbs.co.jp/h-flower/





第11話 a girl from heaven 希望の種
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アルカナの保管庫の前にいた薫は、真中をナイフで突き刺すと
その光景を見たアイは、片桐薫こそ自分の母・ひとみを殺害した
張本人だと思い出す。
薫は軽高炉のスイッチを押したため、10分も立てば2047事件と
全く同様の事故が起こる事を意味していた。
薫はアイに爆発させたくなければ扉を開けろと要求するが、
アイは真実を知らぬままで扉は開けられない事を語る。
信じていたのに何故こんな事をしたのかとアイは語ると、薫は
その言葉はお前の母にもかつて同じ事を言った事を語る。

2010年、薫(王春梅・5歳)だった頃、家族は中国で暮らしていた
が、父が中国政府を批判し、政治犯として捕まった為に、薫は
日本に渡ってきたという。その後研究メンバーとして薫は選ば
れるが、そこでも日本と中国の間では深い溝があったという。
しかし隆志とひとみは、初めて彼女と偏見もなくつきあって
くれた人だという。この二人だけは本物の絆で結ばれていると
信じていたという。
しかし2047事件の日に、隆志が九星商社によって拉致・監禁
され、アルカナの種を差し出さねば殺すと脅されたという。
薫は隆志を助けるためにひとみの元に行き、種の保管場所を
尋ねるが、そこでひとみは、種を求めているのは薫自身であり
自分たちに近付き今までスパイ活動をしていたのだろうと語った
という。何処からか噂で中国側のスパイが居ることが彼女の
耳にも入っていたのである。裏切り者と言われた事で、薫は
心が壊れるのを感じてひとみを殺害したとのことだった。
愛情が憎しみへと変化した瞬間だった。

アイと刑事告訴されたという件に関してはどういう事なのか
尋ねる。すると事故の最大の被害者は自分であることを告げ、
厳普賢から取引を持ちかけられただけだという。それ以来、
傷付けたものへの復讐を考え、自分が描いていた理想郷を作ろう
としてきたと。その革命の為にはアルカナの種が絶対に必要で
有り、更には自分と同じ意思を持つ分身が必要だったとの事。
その為にアイに自分と同じ境遇を吹き込ませて、復讐を植え付け
ていた事を語る。
そんな事のために・・・しかしアイは復讐のために戻ってきた
のではないとし、悪いのは薫本人ではなく、その心の中で
広がってしまった憎しみの感情だと語る。その憎しみの連鎖は
私で終わりにするとして、アイは薫を殺害するのを辞める。
そしてアイは薫を助けたい事を訴える。

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アイは大事な物が傷付けられることで心の中に広がっていく
憎しみと戦う。真実を知らねば前には進めないとして、憎しみ
を堪えて、薫から全ての事情を聞いていくが・・・

中国でも日本でも自分の存在を認められなかった感じだけど、
そのせいで日本を破滅に導くのは辞めてくれって思わず突っ込み
たくなるな。

このドラマだけが一月期のドラマの中で、震災の影響で放送無期延期
になっていたけど、爆発後の映像が震災当時不謹慎に映る為に
見送ったのかな。まぁ元々殺伐とした世界観なので、それが震災被害
とダブってしまう部分が有ったのも事実なんだろうけどね。

アイを自分のコピーとして育て上げたとする薫。
彼女の中の心の寂しさがそんなコピーを生み出したのではない
かと思わせる物がある。

憎しみと愛情が同居するというシチュエーションの中、アイの
中でも憎しみが愛情を凌駕していく様な状況が訪れるも、
アイを見守る周りの暖かい視線によって、見事彼女の中で
愛情を優先させていった感じ。

ただこれまでにも正義のための殺しはしてきているし、ここに
来る途中にも何人もの相手を殺してきている事を考えると
薫を殺害しても、その名目・名分から外れる事はないような
気がする。

アイだけでなく、薫の中に有った愛情の種を開花させて
いく辺りも、このドラマが描こうとしてきたアルカナの種の
物語と平行する形で、上手く描かれていたと思う。
物質的なものだけでなく、精神的な上でも、花を咲かせて
行こうとする辺り、面白い試みだと思う。

結局爆発された事で、あの薬品が上空に散布されたって形なの
かな。

アイ …… 川島海荷 (17歳、暗殺者)
真中祐一郎 …… 荒木宏文 (25歳刑事)
シオン …… 綾野剛 (27歳、片桐の右腕)
ナルキ …… 中野裕太 (25歳、子供の世話役)
ラン …… 竹富聖花 (17歳、暗殺者)
須藤善二 …… 駿河太郎 (35歳、刑事)
厳普賢 (イム・プーシェン) …… 森宮隆 (28歳、小剛の息子)
リリイ …… さくら (28歳、POLISTAR経営、情報屋)
2080年のハル …… 松本利夫 (MATSU from EXILE)
2060年のハル …… 石井蒼月

厳小剛 (イム・シャオガン) …… 本田博太郎 (50歳、星龍ボス)
片桐薫 …… 三田佳子 (ドクター?、55歳)

物取りの少年・シン …… 大和田健介


草壁隆志 …… 石丸幹二 (アイの父)
草壁ひとみ …… 吉田羊

畠山紬、小森郁子、根本康大


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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