示談交渉人ゴタ消し (2011年度1月期・木曜日23:58 - 24:38、日テレ) 原作：大沢俊太郎 脚本：大石哲也(1)(4)、鈴木智(2)、川嶋澄乃(3) 音楽：松本晃彦 宣伝：植村なおみ、折原加奈 演出：岡本浩一(1)(4)、石川北二(2)、本田隆一(3) チーフプロデューサー：堀口良則 プロデューサー：岡本浩一、河内俊昭 http://www.ytv.co.jp/gotakeshi/

第4話 人の心をよむ占い師その危険な(秘)深層心理テクニックを暴け!
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クラブ"Ray"に勤めるキャバ嬢の三条実花は、店ではナンバー1
の女性。マネージャーの佐々木と店の責任者の岩田。
岩田に今週いっぱいで辞める事を以前から話しているが、岩田
は辞めることは認めないとし、もしも辞めれば客とキスしてい
る写真をばらまくと脅す。

今回の白虎への依頼は実花だった。
白虎と彩乃は彼女の住むアパートに行く。彼女には息子・草太
が居た。白虎は草太から話を聞くと、最近ママの帰りが遅いと
いう。
実花は夫のDVで別居したが、引っ越し費用などで物要りになり
キャバ嬢として働き始めたという。現在草太の親権を巡って
係争中であり、一刻も早く昼の仕事に就かないと、来週の調停
では不利になるという。
それを利いてまずは調査のために彩乃を実花と同じ店で働かせる
事に。

彩乃が実花のヘルプに付いている時に、実花はVIP ROOMから
お呼びがかかる。
彩乃は同じキャバ嬢のマリから声を掛けられ、彩乃が20歳だと
知るとホクロを取りたいので保険証を貸してくれないか?と
頼まれる。
VIP客のお見送りをする際に、彩乃は岩田が客に金を渡している
のを目撃してしまう。

彩乃は信吾の喫茶店に戻ると、その事実を報告する。
店長が客に金を渡していたこと。店のオーナーに金を渡して
いたのか?とするが、オーナーは外食業界ではやり手の仁科竜介
だった。しかしこの仁科は裏ではヤクザまがいのネットワーク
を使っているとの噂があった。彩乃は保険証を借りようとして
きた女性が居たことを報告する。

彩乃の元に実花から電話が鳴り、息子・草太にまた咳が出始めた
ので店を休むという。白虎たちは彼女のアパートにいくとVIP
客について尋ねる。自分のことを全く話そうとしない客なので
素性は知らないが、いつもしつこく食事に誘って来るという。
そんな実花の元に店の佐々木と岩田が呼びに来る。

白虎が間に入り話を聞く。
店を簡単に辞めてもらっては困るとし、写真をちらつかせる。
脅迫は法に触れる行為だとするが、相手は強気に出る。白虎は
裏に何があるのかと疑問に感じる。
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キャバ嬢の実花は夫との親権争いに勝つために水商売を辞めよ
うとするが、店のナンバー1である彼女を店長の佐々木はどうし
ても辞めさせようとはしない。もしも辞めれば写真をばらまく
と脅してくるが、その強気な発言の裏には一体何があるのか。

うーん、有る意味今期のドラマの中でこのドラマが一番面白い
かも。手頃な時間の中に無駄な要素は一切無く、交渉の駆け
引きが十二分に描かれている為だ。
心理学を使ったドラマが数多く有るけれど、どれもそれを最大限
に発揮したものとは思えない中で、このドラマでは見事それに
集中して描ききっている。

どのように相手から優位性を発揮していくのか。

相手が写真を持っているという事で、誰もが短絡的に携帯を
奪うとかウィルスでも流し込めくらいに考えるだろうけど、
ドラマでは相手が自分のものよりも更に不利な情報を見つけて
それを交渉のネタとする。

囚人のジレンマに関しては、アメリカの刑事ドラマではよく
見かけるネタ。司法取引がある国なので、そうした事が出来る
のだろう。「ナンバーズ」のシーズン1では3人の容疑者の間で
この作戦を使った気がする。
ただこの場合、二人の囚人というのは、別室で取り調べする事
が条件で、相手が何を話すのか分からないという心理的条件と
の相互作用が必要だと思うけどね。

白虎の弱点は、交渉などとは縁遠く暴力を振るわれたら正直
勝てないのではないかという心細さがある点だと思う。
今回のように白虎にタバコの火を強引に押しつけたりしてくる
相手に対して、対処のしようもないのではないか思っているだけ
に、上手くドラマとしての緊迫感が演出された。
また最後の囚人のジレンマでは、時間的緊張などが加味され、
とても面白い内容となった。