Oh!デビー 脚本：小峯裕之 劇中歌：山崎燿 音楽：櫻井真一 プロデューサー：関卓也、大木綾子 演出：田中亮 http://www.bs-sptv.com/debbie/

第1話 「歌い踊るデブ」 
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20年前、劇団トップハットの公演を見た田中花梨(9歳)は、
トップスター醍醐有紗の歌と踊りを見て感激する。有紗が最後
に観客に向けて放った帽子はなんと花梨の目の前に飛んできた
のである。
自分も歌って踊りたいと思うようになる。

現在、花梨(29歳)。OLとして働くも、課長から残業を押しつけ
られても断れず、後輩からの頼みにも断れなかった。他人に
合わせることばかりの自分。霧島新平との結婚も決まり、普通の
幸せが約束されるが、本当にこのままで良いのかと考える。

そんな折り霧島とのデートはたまたま霧島が仕事関係で手に入
れた劇団「トップハット」の公演だった。劇場前で劇団の専属
女優オーティションが有ることを目撃する。

花梨は幼いときの頃を思い出す。
あの頃は歌う事が大好きだったのに、何時の頃から歌うことを
辞めたのだろうかと。同級生に告白する時に歌で愛を語ろうと
してバカにされたことを思い出す。しかし再び劇団の公演を
見た花梨は胸の高まりを感じる。

花梨は実家に戻り幼いときに貰った醍醐有紗の帽子を手にとっ
て、思い出に浸る。しかし当時見に行ったパンフレットを母親
佐緒里に処分されている事を知って激怒するも、母親からは
花梨は中途半端な人間であり、夢を見る資格はないと言われて
しまう。そんなにやりたい事だったら諦めずにやり続ければ
良かったのだと言われ、落ち込むも花梨はオーディションに
受けてみようと決意する。
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ミュージカル劇団「トップハット」の公演を見て、自分もその
中のトップスター・醍醐有紗の様にになりたいと考えるも、
バカにされたことをきっかけに夢を封印して普通の人生を
歩んでいた。しかし結婚を前にして、自分の人生がこのままで
良いのかと考え始める。

10月期にBSスカパーで放送していたのだけど、当時レコーダー
が一杯だったので、完全にスルーしていたもの。
正月明けに地上波でも放送が始まったので見てみた。

なかなかコミカルさが有り、気軽に見られるという点で悪くは
無い内容だった。

30代を目前にして、そして結婚を目の前にして、今の自分の
人生を振り返るというのはありがちな設定だけど、
主人公の母親が語るように、努力もしてこなかった人物がいき
なり劇団に入って女優になる夢を目指そうとするいうのも
虫のいい話なので、そういう意味では正統派劇団ではなく、
デブが集まる邪道的パフォーマンスである劇団「デビー」に
まかりなりにも入ったことは、そんな不自然な流れを上手く
フォローしている所だと思う。

夢とご馳走は自分で掴む物。
そんな声を掛けてくれる謎のデブの女性が、実は当時
夢に憧れていた醍醐有紗だったという設定も面白いし、当時
よりも今の彼女の方が彼女らしさを発揮して実力もつけている
という辺りに演出家が引き出す人間性やら演出家の手腕という
所に繋がっていくのだろう。

何より紅一点という表現は変かも知れないがデブばかりが
居る中で、美少女的キャラクターを混じらせることは良い意味
で化学反応を起こしそうだね。

30歳の主婦がモデルを目指すとする「バラ色の聖戦」に通じる
ところがあるけど、このドラマと違って主人公には反骨精神
みたいな部分に欠けるところがあるので、その辺は良い意味
でも悪い意味でも矢田亜希子さんのドラマになってしまうのか
なとする一抹の不安感は有る。