スクール！！ (2011年1月期・フジテレビ・日曜21時枠) 編成企画：成河広明 企画統括：瀧山麻土香 脚本：秦建日子(1)(2)(3)、森ハヤシ(3) 音楽：延近輝之 プロデューサー：永井麗子 演出：土方政人(1)(2)、岩田和行(3) http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html

第3話 本気で子供のために泣け!!
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成吾は悪戯好きでクラスの人気者。
かの子先生の背中に相合い傘のチラシを貼り付けるのを、クラ
スメイトの岳や高志は見て喜ぶ。同様に担任の大橋先生にも
同様の悪戯をする。

成瀬が給食の毒味をしている所に、かの子が行くと、成瀬は
彼女にあみだくじを作って欲しいという。
そして給食の時間になると成瀬は、5年生の教室に行き、金曜日
は校長訪問の日と称して、生徒達と一緒に給食を食べるという。
今日はあみだくじで、5年生が選ばれたことを語る。
同じ釜の飯を食べたもの同士は見えない絆で結ばれるのだと
持論を展開する成瀬。しかし成瀬は成吾が給食を食べずにいる
事を気にする。本人はダイエットをしているだけだとするが、
翔子は、成吾の家は貧乏なので給食費が払えないのだという。
成瀬は担任の大橋に尋ねると、一学期の後半くらいからこの
状態だという。俊哉は、払っていないのに給食が食べられるの
であれば払っている俺たちが馬鹿を見ると告げる。
成瀬はそんな事は関係ないから給食を食べろとするが、断固と
して食事を取ろうとしない成吾だった。

そんな中、帰宅する際に自販機で10円玉を拾う成吾に、理矩が
声を掛ける。成吾に対して俺と契約しないか?と問い、一ヶ月
5千円で友達になって欲しいという。ボクは沢山小遣いをもら
っているからと告げるが、成吾はそれを断る。

一方職員室でも給食費の件で成瀬は他の教師と話し合いになる。
給食を食べない生徒が居るなんて不自然だとするが、家庭の事情
だとし、無理矢理食べさせた方が体罰になるのだという。
しかし成瀬は放置して良い問題ではない事を告げると、担任の
大橋先生は何度も実家の方に督促に行った事を告げる。桐原は
格差があるのは仕方がない事だという。しかし成瀬は納得できず、
授業よりも給食の時間の方が大切だとするが、給食費を払えない
生徒を支援すれば、その分学習教材費にしわ寄せが来るとして
本末転倒である事を告げる。成吾のお父さんの方に生活保護の
提案に行くも受け入れてもらえなかったと告げる。成瀬は
それならば給食費は無料にするしかないと語る。
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所得の格差によって給食を食べられない児童と食べられる児童
が存在してしまう。それを知った成瀬は、桐原から校長のして
いる事はその場しのぎの嘘の希望だと言われつつも、食べられ
ない児童のために奔走していく。

今時の所得格差時代の実情を描いた話だった。

可愛そうなのは真面目に働いているにもかかわらず、所得に格差
が生まれてしまう現実なんだけど、そのしわ寄せを喰らうのが
子供であるという事はなんとも言えない後味の悪さが有る。

子供のためを思うのかそれとも自我を貫きプライドに生きるのか
という選択を父親に与えたところは良く出来ていた。

金では買えないものが有るという主張は、教育もののドラマでは
よくあること。命の大切さもそれに絡ませて描き、上手く
成瀬の主張が心に響いたと思う。

給食費の問題など、不誠実な理由で支払いが滞っている訳では
ない所もまた、事態を複雑なものにさせているし、金を払ってでも
友達を作りたいとする子供が居る現実に、現代社会に歪みが
存在しているのかも知れない。

こんな時代性に慣れてしまう事が最も怖いことなのかも知れないね
この学校の教師達は慣れすぎている所があるけど、教師も生徒も
時代性に気概をもって接していく反骨精神というのは、どの時代であれ
必要な物なんだろうね。