スクール！！ (2011年1月期・フジテレビ・日曜21時枠) 編成企画：成河広明 企画統括：瀧山麻土香 脚本：秦建日子(1-8)、森ハヤシ(3) 音楽：延近輝之 プロデューサー：永井麗子 演出：土方政人(1)(2)(5)(8)(9)、岩田和行(3)(6)(9)、平野眞(4)(7) http://www.fujitv.co.jp/school1/index.html

第9話 その手を掴む勇気を持て!!子供の危機か?廃校の危機か?民間
人校長先生、涙の選択!!切り開けよ希望の道
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成瀬校長は5年生の生徒達が今まで翔子に虐められていた分、
今度は彼女を"空気"にしようと言ったことに対して激怒し、
新宮小学校は潰すと公言する。

廃校は決定的なのかと脇谷は呟く。成瀬校長だけは最後まで
回避するために頑張ると言っていたが・・・
その会話を生徒の岳と成吾が聞いてしまい、すぐにクラスに
戻って生徒達に語る。みんなバラバラになってしまう、一緒が
良いと口々に告げるが、でもそうなった原因は私たちにあるの
かも知れないと語る。

一方武市は翔子と話し合っている最中に倒れて救急車で運ばれる。
すぐに学校にも連絡が入り、成瀬とかの子、そして百合子は
病院に向かう。
病院では幼いときから顔なじみの医師・石田先生から事情を
聞く。
三人は病室に行くと、幹城に対して病気だと知っていたらもう
少し気遣っていたことを語るが、当の本人は寿命は誰にでも
あるものだという。お前達にはもっと気にすることが有るはず
だという。成瀬は子供達に対して学校を潰すと言ってしまった
事を語り、生徒達があまりに人の心の痛みを感じていなかった
からだという。校長失格だとし、現在どうしたら良いのかと
幹城に語る。先生は子供たちに裏切られるのも仕事だとし、
子供は期待通りには育たないものだという。しかしいつか
きっと気付いてくれることを信じて待つのだと告げる。
幹城は翔子と話していた際に、兄から彼女宛に多数のメールが
届いていたことを語り、恐らく兄からDVを受けているのであろう
事を語る。強制的に引き離した方が良いだろうと語る。
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翔子が兄からDVを受けているであろう事が明らかになるが、
親権を持たない成瀬には手の打ちようもなく、翔子を必死に
説得するもなかなか彼女は心を開こうとはしなかった。
強引に彼女を家まで連れて行くと、兄のアキラはバットを持って
学校で暴れ出す。

これまでの教育もののドラマだと警察沙汰にだけはしないと
いうのが一種の線引きが有り、国家権力といえども聖域に足を
踏み込ませる事だけは死守する流れだったけれど、このドラマ
では意外とあっさりと警察に伝えた感じにも思える。

悪いことは悪いと教えることの必要性は確かに大切だし、
バットを振り回している姿を見れば尋常ではない事は
明らかで、教育者にこの人を改心させろというのも無理がある
からね。

虐めに対する見解も大橋先生を利用し、一人が放つ言葉の意味
と集団が持つ言葉の違いなども上手く利用し、生徒達を諭して
いく辺りも良くできている。言葉の暴力というものが改めて
描かれた感じだった。

学校存続とか翔子とアキラという兄妹の問題を幹城に任せて、
そんな彼の意向を汲んだ成瀬が、現場で働く教育者や生徒達の
意識を変えていくという意味で、とても上手く役割分担を持たせた
と思う。
校長ともなると流石に町内では顔が広い。

子供達自らに考えさせ、行動を起こさせること。
子供達には子供達の世界があり、大人が全て介入しないという
姿勢や子供達との距離感も上手く計算されていたし、良くできた
話だった。

最後の校長の話も変に美化せず、包み隠さずに子供達に自分に
降りかかる人生の苦難を語り、そんな人生でも決してくじけることの
ない事の意味合いの中に情熱や誇りというものを上手くすり込んだと
思う。