美しい隣人
(2011年1月期・フジテレビ・火曜22時枠)

脚本:神山由美子
音楽:池頼広
演出:今井和久、小松隆志、星野和成
プロデューサー:豊福陽子、遠田孝一、浅井千瑞

http://www.ktv.jp/rinjin/



第1話 魔性の女、現る
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息子で幼稚園に通う矢野駿は、夏の暑い中、家のプールで遊び
たいと母・
絵里子に訴える。しかし今日は、夫・慎二と一緒に
祭りに行く約束になっているでしょうと告げ、駿を思いとどま
らせる。
絵里子が洗濯ものを干している間に、庭で遊んでいる筈の駿が
居なくなる。近所の公園、そしてそこで行われている祭りの
群衆の中を探していくが、見つからなかった。
すぐにその事は夫や夫の両親、そして絵里子の隣人の
加奈夫婦
や、ママ友の
相田家にも伝わり捜索になる。
帰宅する絵里子の前に、刑事がやってきて、
美空野公園の池
から遺体が見つかったので、確認して欲しいと言われる。
警察署へと足を運ぶ中、駿が見つかったと報告が入る。なんでも
公園の木の上から降りられなくなったとの事だった。


この木で何が!?

一年後、死んだのは駿ではなく、また平穏な日常が戻っていた。
絵里子は日々の事、そして地元で活動しているホタルの生息活動
について
"ERIKOのホタル日誌"というblogを製作していた。

この日、近所の仲良し家族が集まる。関家は夫・
彰宏の父親の
介護のために引っ越しすることになる。その間、加奈から大きな
鏡を預かる事になる。
絵里子の夫も単身赴任で大阪で勤めており、気の許せた隣人の
加奈が大阪に引っ越してしまう事で不安に感じていた。
引っ越してくる隣人が変な人ならば嫌だなと絵里子は感じる。

夫が再び大阪に戻る日、絵里子は駅まで夫を送っていく。
すぐに東京に戻ってくると言ったのにと文句を言う彼女の心は
不安で一杯。その不安な心は、隣が空き家になったからなのか、
それとも駿の騒動の有った夏が来るからなのか、彼女にはまだ
分からなかった。

そんな中、関家に引っ越しを考えている家族が、家を見に来る。
絵里子はその女性から色々と近所の事を尋ねられる。彼女には
持ち家はあるが、受験に有利となる
美空野小学の学区の為に
ここに引っ越しするのだと聞かされる。絵里子は露骨に嫌な
気分になり、絵里子は夫が単身赴任している大阪に思い切って
自分たちも一緒に移ろうと感じる。

夜、絵里子の家を訪ねるものの姿があった。
玄関に立つ女性は自らを
マイヤー沙希だと告げ、隣に引っ越して
くることになった事を告げる。夫がアメリカ人なのでこういう
名前だという。絵里子は先日別の人が見に来たことを告げ、
その人に決まったかと思ったというが、私の方が早かったのだ
と告げる。絵里子は子供のために引っ越ししてくるのか?と問う
が、家族は夫と二人だけだと告げ、来年には夫も日本にやって
くるという。絵里子は気のよさそうな隣人の存在に、引っ越し
せずにもう少しここに居ようと考える。

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消極的性格の絵里子は、単身赴任の夫が不在のために幼稚園生
の息子と二人暮らし。おまけに仲良くしていた隣人の女性が
引っ越したことで不安が広がっていく。夫の元に行こうとして
ところに、一人の気だての良い女性が引っ越してくる。

ドラマとしては早くも先の展開を想像出来るものがあるけど、
目の前の事実を淡々と消化していくのが楽しい味方なのかも
しれない。

檀れいさん&仲間由紀恵の美しさにただ見取れているだけでも
十分目に優しい映像だし、藤井美菜さんがちょっぴり怪しい
役で出演している事もドラマとしては興味深い。

ドラマを見ていると、一年前の公園で行き違ってしまった運命
によって、生き残った子供の家族の事を、失った子供の母親が
妬んでいくというのは、精神的に分からないでもないが、それ
だけだと理由付けとしてはかなり弱い物があると思う。
木に登っていたとする辺りの描写の前後に、松井理生という
人物も含めて、言葉以上の事実が含まれているのではないか
というのが、今後のドラマの興味として存在している。

ドラマでは女性同士の様々な思惑がすり込まれていて、沙希と
絵里子だけの関係だけが綱引きを演出している訳ではないところ
が期待できる点だ。

正直沙希の思惑は、もう少しあからさまに現れない方が面白い
と思うのだけど、日本のドラマの視聴者の好みを考えると、濃い
味付けをし続けなければなかなか視聴者も付いてこないという
のは分かるけど、日常生活を淡々とこなす中で恐怖心などが
現れたりすると、本来のこのドラマの良さが出てくると思う。

そう言う意味ではフリーター、家を買う。などの脚本家
橋部敦子さんの様な控えめなトーンでドラマが描かれていく
ことに期待したい。

マイヤー沙希 …… 仲間由紀恵 (夫はアメリカ人、内装業)
矢野絵里子 …… 檀れい (妻)
矢野慎二 …… 渡部篤郎 (夫)

相田真由美 …… 三浦理恵子 (絵里子と友達)
相田和史 …… 森山栄治 (夫)
相田未央 …… 谷花音 (娘)
関加奈 …… 鈴木砂羽 (絵里子の隣人・しかし引っ越し)
関彰宏 …… 小林正寛 (夫)
矢野敏郎 …… 左右田一平 (祖父)
矢野美津子 …… 草笛光子 (祖母・入院)
矢野駿 …… 青山和也 (息子)
松井理生 …… 南圭介 (駿を助ける)
真下亜美 …… 藤井美菜 (ENEX電機産業(株))
広瀬浩太…… 青山ハル (水泳教室)
中牟田肇 …… 武野功雄 (ホタルの放流にて)
筧雅彦 …… 高知東生


鳥飼 …… 佐野圭亮
石森 …… 神保悟志 (慎二の友人)

寺崎裕香、中脇樹人、中尾尚人、今泉あまね、本田清澄
まつおか晶、花田奈美


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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