美しい隣人
(2011年1月期・フジテレビ・火曜22時枠)

脚本:神山由美子
音楽:池頼広
演出:今井和久、小松隆志、星野和成
プロデューサー:豊福陽子、遠田孝一、浅井千瑞

http://www.ktv.jp/rinjin/



第9話 こぼれたミルク
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絵里子は実家に駿を連れて戻っていたが、目を離した隙に駿が
居なくなったのを知る。警察に連絡した方が良いのではないか?
とするが、絵里子は犯人が沙希である事を確信し、慎二に
電話すると、自宅に戻り駿と沙希が居ないか確認して欲しいと
いう。絵里子もすぐに自宅に戻るという。

沙希に到着した慎二は沙希の家に人がいないのを確認すると、
自分の家を調べる。すると駿と沙希が手を繋いで眠っているのを
見つけ、慎二はすぐに駿を取り返す。沙希が目覚めると、すぐに
出て行くよう告げ、ここは君の家ではないという。この行為は
犯罪だとすると、沙希はそんなつもりは無かったとし、呆然と
した表情を見せる。慎二はどうしたのか?と問うと、沙希は
自分は母親だった事、そして事故で亡くなり、その子は駿くん
と同じ5歳の男児だった事を語る。
涙する沙希は慎二の胸の中で涙しているところを絵里子が戻って
くる。何をしているのか?と絵里子は慎二に不審さを感じるが、
慎二は駿ならば二階にいると告げる。

駿を確認した後、絵里子は慎二に警察には連絡したのか?と
問われ、無事だった事だし、通報はしていないという。これは
犯罪だとする絵里子は、慎二が通報しなかったのは警察には
聞かれたくないことが沢山有るからでしょうと問う。通報
したら家も無傷ではいられないと告げると、絵里子は夫に
どっちの味方なのか?という。慎二は同情すべき所もあるとし
沙希の子供が亡くなっている事を語る。絵里子は沙希のこと
を病的な嘘つきだとして、嘘だと告げる。

そんな中、絵里子は家の内装が変わっていることに気がつく。
なんてことをしたのか?と問う絵里子に対して、沙希は貴方は
捨てたのでしょうととう。この家を出て行ったとするが、
私は貴方の傍に居たくなかっただけだという。大事なものなら
ば離さないのが大切で、私は捨てられたものを拾っただけだと
いう。絵里子は手など離していないとするが・・・

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絵里子の実家に居たはずの駿を連れ去った沙希。
絵里子はこれ以上はこの家には居られないとして、家を売りに
出そうとするが、冷静になった彼女はここで出て行けば、沙希
の思惑通りだとして、元の生活を取り戻そうと奔走する。

今回もまた面白さが継続していた。
大体謎や秘密にしていたものが無くなった時点で大抵のドラマ
は興味を失うけれど、このドラマは、心理描写なども良く描けて
いて、謎云々以外の所にも面白さが詰まっている。

沙希が誘拐に近い行動を見せた事によって、沙希にとって有利
な状況を保てる事など普通は無いはずなんだけど、慎二の曖昧
な態度によって上手く沙希の命を延命している。
また絵里子が警察に被害を訴える際にも、一年前の絵里子の起
こした行動が徒になっていたり、慎二と沙希の不倫状況が足か
せとなっていたりして、寧ろ絵里子の立場が悪くするなど
皮肉にも面白さが出ている。

何より冷静さを失っていた時の絵里子の態度と、自分は悪くは
ないと思い立った時の絵里子の決意は、心理的な描写の推移が
とても自然な流れて移行し、それでも沙希の陰に怯えている
所は、繊細に被害者意識を描いていると思う。

不倫とか怪我した事実は噂としてきっちりと流れているのに、
沙希がしでかした事に対して正確に伝わっていない所がもどか
しくも有り、ドラマとしては上手く盛り上げる要素になっている。

それにしてもまだ理生は名乗り出るものがない。
早くしないとドラマが終わってしまうぞ。

尻すぼみのまま終わると思っていた真下亜美の存在もここに
来て存在感を発揮するところも、憎たらしいほどに上手く人物
を配置していた感じだね。

それにしても沙希って本当に内装業をやっていたんだね。
初めて働く姿を見られた。

あと絵里子は慎二に警察には知らせないのか?と言っていたけど
自分が最初に親戚の人たちに警察に知らせるのを静止する
姿が有ったじゃないって変なつっこみ所が存在するな。

マイヤー沙希 …… 仲間由紀恵 (内装業)
矢野絵里子 …… 檀れい (妻)
矢野慎二 …… 渡部篤郎 (夫)

相田真由美 …… 三浦理恵子 (絵里子と友達)
相田和史 …… 森山栄治 (夫)
相田未央 …… 谷花音 (娘)
関加奈 …… 鈴木砂羽 (絵里子の隣人・しかし引っ越し)
関彰宏 …… 小林正寛 (夫)
矢野敏郎 …… 左右田一平 (祖父)
矢野美津子 …… 草笛光子 (祖母・入院)
矢野駿 …… 青山和也 (息子)
松井理生 …… 南圭介 (駿を助ける)
真下亜美 …… 藤井美菜 (ENEX電機産業(株))
広瀬浩太…… 青山ハル (水泳教室)
中牟田肇 …… 武野功雄 (ホタルの放流にて)
筧雅彦 …… 高知東生 (亡くなった隼人の父)

紀子 …… 高林由紀子 (絵里子の母、長野県松本在住)
克也 …… 光石研 (絵里子の兄、瀧野医院)
由利 …… 辻しのぶ (克也の妻)
田部 …… 福田賢二 (慎二の部下)
溝口 …… 名高達男 (常務)
刑事 …… 大高洋夫

岸博之、まつおか晶、澤口夏奈子、八代真吾、杉浦美和


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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