美しい隣人
(2011年1月期・フジテレビ・火曜22時枠)

脚本:神山由美子
音楽:池頼広
演出:今井和久、小松隆志、星野和成
プロデューサー:豊福陽子、遠田孝一、浅井千瑞

http://www.ktv.jp/rinjin/



第10話 勝つ女
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絵里子は沙希の息子・隼人が池で溺れ死んだ時の記事をインター
ネットで目にする。そこには筧雅彦が沙希の夫で有ることが
記されていた。

絵里子は駿が本当のママは沙希おばちゃんだと言った事に少な
からずショックを受けていた。

絵里子は雅彦が経営するデザイン事務所へ足を運ぶ。
いつか来ると思っていたという雅彦は、沙希が隣人だと知った
時に知らせるべきだったとし、その事実を彼女と離婚の際の
取引材料にしようとしていた事を語る。
絵里子に沙希から何もされていないか?と問うと、絵里子は、
私の周りの人や私の家、そして私の心を滅茶苦茶にされた事を
語り、今まで自分が幸せだと思ったことは無かったが、失って
みて初めて知ったという。雅彦に対して沙希の居場所を尋ねる
が、自分も分からないという。雅彦は逢ってどうするのか?と
問うと、自分でも何をするのか分からないと告げる。雅彦は
冷静になる事を訴え、沙希にはもう失う物が無いのだという。

絵里子は彼に何故私を狙ったのか?と問い、貴方の子が亡くなり
私の子が助かったのが理由なのか?と尋ねる。
雅彦は沙希と結婚して6年が経つという。出会ったときには妻
が居たが既に別居しており、会社に入ってきた彼女のことを
賢くて魅力的だと見えてすぐに結ばれたという。沙希は怒りを
感じると別人になり、別の人格が現れるという。
周りからしてみれば些細なことでも、彼女は感受性が強く、
繊細で傷つきやすい人間である事を告げる。傷付けられると
彼女は悲しむのではなく攻撃に転じてくる事を語る。

しかし沙希は私に何を傷付けられたのか。
子供が助かったことなのか?私は絶対に彼女を傷付けていない
と告げる。

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絵里子は沙希がこれまでしてきた事の全てを知り怒りを募らせ
るも、沙希は絵里子達の目の前から突然消えてしまう。
果たして駿を巡る争いに終止符が打たれたのか。

震災後、東海の方でも大きな地震が有ったと言うことで、
放映中に中断した分の12分程度が見られない状態だったけど、
ようやく全てを見ることが出来ました。

一連の問題は一つの言葉から端を発していたという事実に複雑
な物を感じる展開だった。人が何気なく言った言葉にも、聞く
人によっては傷つくことがあるんだよなという事を改めて実感
させられる。

沙希と絵里子は、似たような成長の過程を経て育ってきたこと。
自分と境遇が似ている分だけ、僅かな掛け違いによって現状の
違いが浮かび上がり、より嫉妬心が生まれる部分があるのだろう。

思わせぶりだった理生の行動がかなり消化不良に写り、沙希の
消息・安否に関して不可解な所もあるけれど、沙希と絵里子の
深夜24時の話し合いには、恐怖心も加わり、興味深いやりとりが
行われた。
絵里子が沙希を刺せば、駿の心は果たして沙希に映っただろうか。

ドラマの冒頭から鏡の存在がキーアイテムとして存在し、
倒れて割れたことで、対照的だった二人の存在も解消された感じ
がする。嫌だけど離れられない二人の存在は、まさに隣人として
比較するには、色んな面で興味深さが存在するな。

事実が分かった後にも、上手くドラマを引っ張り通して面白さ
を維持できたなと思う。

マイヤー沙希 …… 仲間由紀恵 (内装業)
矢野絵里子 …… 檀れい (妻)
矢野慎二 …… 渡部篤郎 (夫)

相田真由美 …… 三浦理恵子 (絵里子と友達)
相田和史 …… 森山栄治 (夫)
相田未央 …… 谷花音 (娘)
関加奈 …… 鈴木砂羽 (絵里子の隣人・しかし引っ越し)
関彰宏 …… 小林正寛 (夫)
矢野敏郎 …… 左右田一平 (祖父)
矢野美津子 …… 草笛光子 (祖母・入院)
矢野駿 …… 青山和也 (息子)
松井理生 …… 南圭介 (駿を助ける)
真下亜美 …… 藤井美菜 (ENEX電機産業(株))
広瀬浩太…… 青山ハル (水泳教室)
中牟田肇 …… 武野功雄 (ホタルの放流にて)
筧雅彦 …… 高知東生 (亡くなった隼人の父)


探偵事務所 …… 堀部圭亮

税所伊久磨、内山千春

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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