相棒11 (2012年10月期・テレ朝・水曜21時枠) 脚本・輿水泰弘(1)(9)(10)、戸田山雅司(2)(12)、太田愛(3)(11) 櫻井武晴(4)(7)、ハセベバクシンオー(5)、守口悠介(5・協力) 徳永富彦(6)(13)、金井寛(8) 監督・和泉聖治(1)(3)(6)(11)、近藤俊明(2)(7)(8)、東伸児(4) 田村孝蔵(5)、安養寺工(9)(10)、近藤一彦(12)(13) プロデュース・伊東仁、西戸敦郎、土田真通 音楽・池頼広 http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第13話 幸福な王子
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陣川が特命係の右京の元を尋ねてやってくるが、右京はこの日
アート系イベント企画で起きた事件を捜査していた。
従業員の澤山綾子によると、美術品の保管スペースに有った
ものが亡くなっているというもの。
一方捜査一課は、この会社の社長の濱田雅志が殺害されたとの
連絡を受け捜査していた。社員の大石貴伸によると、休日明け
に出勤すると社長が死亡していたという。死亡推定時刻は
土曜日の午後3時から5時だという事で、会社は休みだった。
社長には多額の借金が有ったとのことで、その返済を巡りトラブル
になったのではないかと疑う。

久しぶりに美術品にまつわるネタ、芸術が関係していく物語
だった。
美術品と言うと、どうしても金持ちの財テクなり、富の象徴
みたいな印象も有り、金欲の印象が拭いきれないけど、それを
否定するかのような真相・結末が存在するということで
ドラマは面白く演出された内容だった。
気難しくなりがちな芸術ネタを視聴者にも分かりやすい形で
取り込む辺りのセンスは感じるところ。

事件を別の角度から一つの流れに合流させるというのも相棒では
ごく当たり前の流れであり、陣川の流れは大抵右京が担当
するものだったけど、今回は陣川とカイトを絡ませ、陣川の
中の嫉妬心と彼の性格を加味した流れを作り、上手い事パターン
性の有る流れに陣川君を組み込んだ形だった。

右京らしさが現れたのは、メインの彫像の流れよりも、コーヒー
カップの持つ意味合いを探り宛てて、バルタザール、カスパー、
そしてメルキオールの東方三賢者のエピソードから犯人を引き当
てた事だと思う。

野間家の事情は視聴者にもすぐに察することが出来たのではなか
ろうか。
金云々の流れは抜きにしても、母親が好きな彫像を雨ざらしに
したとする流れは、どう見ても母親の部屋から見える角度に
置かれたであろう事は明らかだったし、それを何故娘が理解出来
なかったのかが逆に謎に写る。ミスリードを誘うようにして
墓の供花が枯れていたとする事で、母親に対する夫の気持ちにぞんざい
な一面が有るようにも感じさせたけど、それを提示する流れが
タイミング的には少々遅すぎたかな。

それにしても殺された被害者の厚かましさが群を抜いていて
笑えた。演じているのは麿赤児さんかと思った。

サッカー好きでよくツイッターでも情報を発信している
あだっちー事、足立梨花さんのドラマの中での可能性も見た感じ
の話だった。