カウンターのふたり
(2012年4月期・BS12・土曜)

脚本:川嶋澄乃
演出:千村利光
企画:中山和記
編成:池上直樹、鎌田雄介
プロデューサー:伊賀宜子
主題歌:アリル「if」〜もしも2人が〜

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第2話 女ともだち
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香坂恵理と結城千佳は学生時代の同級生。
二人は40代半ばにして行き違った人生を送っていた。
恵理はキャリアウーマンとして広告代理店で働き現在は部長
代理の座に上り詰めるも結婚も出産もしていなかった。一方の
千佳は結婚して長男は大学を卒業させ無事就職させたことで
子育てから解放された人物だった。

二人は9年ブリの再会。
息子は友達と何処かに遊びに行き、夫は仕事。このホテルには
自分一人で来たのだという千佳は、恵理を呼び出し一緒に飲も
うと誘っていた。恵理もちょうど約束をドタキャンされたばかり
で都合がよく逢うことになる。

千佳は変わりなく美しさを保つ恵理の事を賞賛するが、逆に
恵理は安定した家庭が有る千佳の方が羨ましいという。自分も
時間を戻せるならば専業主婦をしたいという。千佳は家庭に
入ってから友達と飲みに来る機会なんて初めてだという。

恵理に対して誰か相手を見つけたらどうか?という。
探そうとすればいくらでも見つかるハズだとし、理想が高すぎる
のではないか?という。逆に子育てを終えた千佳に対してこれか
らの人生をどうするのか?と問う。仕事でもして資格でも取った
らどうか?とするが、千佳は現在それどころではないという。
夫が浮気しているみたいで、トモミという女性からメールが
入っているのを旦那の携帯から見てしまったという。安月給の
割に余所の女と食事に行ったりするなんて酷いという。
30歳代前半の男性の47%以上は未婚だとする調査があり、男は
余っているのに、既婚者を選ぶなんてと憤る。しかし恵理は
既婚者の方がよく見えるのではないかと告げる。千佳は女の方
に見る目が無いのだとし、不倫なんて人の道に外れることだと
告げる。しかし恵理は、旦那の携帯電話を勝手に見るなんて
節操もなくプライドも無い行為だと非難。しかし千佳は誰でも
普通にやっていることだという。恵理はそんな事をする暇が
有るならば自分磨きに精を出すべきだと語る。

そんな中、恵理が不倫している事実が判明し、だからそんなに
主婦を非難していたのかと千佳は憤怒するが・・・

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40代半ばの女友達の行き違った人生。
不倫について二人は激しいやりとりを行っていく。
不倫されているであろう千佳と不倫している恵理のそれぞれの
苦悩を描いていく。

友達だからこその関係性が描けていて、互いに足りない物を
指摘していく辺り面白く出来ていた。

専業主婦の立場、そして仕事をして独立した女性の利点と欠点
が面白く浮かびあがってきたし、不倫を通して、別の角度から
その是非を問う辺り、立場の違いというものが面白く浮かび上
がってきたと思う。

どうしても人は近視眼的になりがちなものがあるけれど、社会
に揉まれている恵理の方が、男性の苦悩を分かっているという
のが面白いし、奥さんとしての役割を解いてしまうのだから
不思議なものがある。

携帯電話を見るのはルール違反ではないかとしながらも、友人間
ではそんなルールも無しとばかりに、互いの携帯のメールを見て
は相手にメールをしてしまう辺り、その返信の中にこそ、それ
ぞれの本当の気持ちが込められているのだろうし、面白いオチ
が有ったと思う。

話だけで構成させるのに面白く演出されているドラマだよね。

香坂恵理 …… 国生さゆり (キャリアウーマン)
結城千佳 …… 宮地雅子 (専業主婦)
バーテンダー …… 竹下笳人

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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