カウンターのふたり
(2012年4月期・BS12・土曜)

脚本・演出:佐藤久美子
企画:中山和記
編成:池上直樹、鎌田雄介
プロデューサー:伊賀宜子
主題歌:アリル「if」〜もしも2人が〜

http://www.twellv.co.jp/event/counter/





第6話 雨やどりの午後
--------------------------------------------------------
雨の日。
山川詩子は雨宿りのために喫茶店へと入る。
中では借金取りの男性・秋葉祐一が、電話しており、今日中に
なんとか金を集めろと激しく追い立てる。
山川に気がついた秋葉は閉店中だと告げ、コーヒーを飲みたい
のであればチェーン店がこの道のずっと先に店があると告げる。
雨が降り止むまでここにいてはダメか?と告げる。
そんな中、山川の元にも電話がなる。課長からの電話で今月の
売り上げ目標は225万円だと言われる。山川は電波が悪い事を
理由に電話を切ってしまう。

そんな会話を聞いていた秋葉はコーヒーを入れても良いがブラ
ックしか入れられないと告げる。オレは単に
マスターから留守番
を頼まれただけ
だと告げる。

カウンターに座る山川は、彼が小指に怪我をしているのを知る。
一方秋葉は山川が首からぶら下げている社内証に目を留める。
ミカドヘルスサービスと書かれていたので、ヘルス嬢なのか?
と問うが、健康器具の販売とリースを手がけている営業だと
いう。自分の会社が扱っているパンフレットを彼に見せる。
マッサージチェアが45万円もするのを見て秋葉は驚く。
さっきの電話は上司からなのか?と問うと、私は成績が悪いから
と愚痴り、会社は売り上げの数字ばかりを押しつけるとし、
この仕事に向いていないのかもと告げる。しかしやっと入った
会社なのでなかなか辞められない事を告げる。どんな仕事でも
やり甲斐が有ると思ってやっているというと、秋葉に対して
仕事に対するやり甲斐とは何か?と問う。普通は金や男、
物欲ではないのか?と告げる。
山川は秋葉にこの店のバイトの人なのか?と問うと、単なる常連
客だという。貴方のことはなんとなく分かるとし、良い人だと
思うという。コーヒーを入れてくれたし、友達の留守番をして
いると。しかし店長とは友達なんかではないという。

秋葉は突然、彼女に仕事の愚痴や自分の事を色々と話して
いるがオレのことが恐くないのか?と問う。もしかしたらオレが
強盗でマスターはカウンターで倒れているかも知れないとし、
知らない店で知らない男と二人きりの状態だと告げる。
そんな中、女性客が入ってきて、一瞬の張り詰めた緊張感から
解放されるのだった。

--------------------------------------------------------

雨に入った喫茶店で、全く知らないもの同士が短い時間の中で
仕事について、やり甲斐について語り合う。

互いの事を語り合うと言うよりも、殆ど山川の愚痴に終始して
しまった感じで、バーのマスターの様な役目を秋葉に求めた
様な感じだった。

彼女を足止めしたのは雨でもなく、実際には彼女の中にある
罪悪感だったとする辺りが面白く浮かび上がってくる所で、
短い時間の中でもやり甲斐を見いだしていく所は面白い部分。

ただ秋葉も語っていたように、山川がちょっと出会ったばかりの
男性に色々と口数多く語りすぎる所が有った。
如何にも秋葉という男性はきな臭い人物だし、どう見ても
借金取りである事が分かる。
美味しいコーヒーを入れる人に悪い人は居ないとでも思って
いるのか?とでもいう感じの不自然な組み合わせで、やや感情
移入するのが難しかった。

まぁ山川の純粋さを知って秋葉が更生していくみたいな流れは
決して後味は悪くは無いけどね。

ヘルスという言葉一つを聞いても色んな側面があり、秋葉のよ
うに風俗嬢かと感じてしまう所はその人となりの性格やら現在
の立場が色濃く出ていたけど、器具販売ではなく、自分の手で
癒す側に回ってありがとうと言われたいとする女性の転機を
短い時間の中で上手く見いだしていく所は良かったかな。

山川詩子 …… 前田 亜季 (健康器具販売員)
秋葉祐一 …… TETSUYA (借金取り)
喫茶店の客 …… 長谷部優

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system