カウンターのふたり
(2012年4月期・BS12・土曜)

脚本・演出:龍樹
企画:中山和記
演出:松木創
プロデューサー:伊賀宜子
主題歌:アリル「if」〜もしも2人が〜

http://www.twellv.co.jp/event/counter/





第9話 米粒の鼓動
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サッカーゲームが置かれているバーで貸山笹夫はセールスマン
の営業として電話で取引の話をする。しかし断られてしまい
落ち込む。サラリーマンとは、まるで手錠のない囚人であり
この取引先を逃したことで首にリーチが掛かったと愚痴を漏ら
す。サッカーの選手は、活躍すれば何億円も稼ぐし、得点を
決めればスタジアムが一体となって拍手が巻き起こるのに、
サラリーマンは契約の一つをとっても何の拍手もないと呟く。
仮にサッカー選手のように職場で叫ぼうモノならば、通報され
るのがオチで世の中不公平だという。叫びたいのはみんな同じ
なのに・・・と。

そんな中サッカーゲームをしていた白瀬功一が隣にやってきて
一緒に飲むことに。貴方がとても胸に迫るような話を耳にした
事を告げ、私も叫びたい事が有るという。

貸山笹夫は自分は本来エンジニアであり、二ヶ月前から突然
営業職に異動になったのだという。エンジニアが営業に回った
所で売れる訳が無いのだという。バーテンダーは白瀬の事を
社長と呼んだ事で、貸山は驚く。私が居るのは小さな会社だと
告げ、私たちは単にバーで出会っただけの関係だとして、経営者
も営業職も関係ない事を告げる。
貸山は色々と営業の先輩から指導していただき、ポーカーの様
に相手の顔色・腹具合を探って柔軟な心理戦で売り込めと
言われたのだという。しかし私の顔はポーカーフェイスには
ほど遠い顔をしていて、そんな演技のようなことは出来ないと
いう。今月はまだ一件しか契約が取れていないが、必ず切り抜
けられると信じて働いているとの事だった。白瀬は異動には
されなりの理由があるのではないか?と問うと、自分はエンジニ
アとして三度表彰を受けており、部長と対立した事で飛ばされた
事を告げる。本社の視察がある日にエンジニアを代表して
陳情書を提出したら、本社の人へのパフォーマンスに取られた
と語る。

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営業職とエンジニア、そして管理職の苦悩が描かれると共に
その場に居逢わせた者が実は同じ会社の上司と部下だったとい
うサプライズが描かれた。

ただそんなサプライズとしている所にも、なんとなく白瀬が
貸山の上司である事は雰囲気で分かるものが有ったし、エンジ
ニアが営業をしてもすぐに結果を出せると思えない中で、少々
説明っぽい展開になってしまった感じがするのは残念なところ。
エンジニアなのに弁が立つという役所なので仕方が無いといえ
ば仕方が無いのだろうけど、技術者達の熱い思いを営業職と
融合させようとする試みに経営者の男も光明を見いだそうとし
ている気持ちは伝わってくる所が有ったかな。

ただやはり貸山が技術畑の人に見えない部分が有った。

今の日本に必要なものを提示したかったのかも知れないし、
自信やプライドを失う日本人に活路を見いだしたい思いも
有ったのかも知れないが、やや説得力は足りなかった感じが
するのは残念。
ドラマの設定上仕方が無いのだけど、これまで以上に物語が
淡々とし過ぎて地味に物語が進行した感じがする。

貸山笹夫 …… 春風亭昇太 (半導体メーカーの元エンジニア)
白瀬功一 …… 本田博太郎 (貸山の上司)
バーテンダー …… 山本啓之

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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