ゴーイング マイ ホーム (2012年10月期・フジ・火曜22時枠) 脚本・監督：是枝裕和 音楽：ゴンチチ 協力プロデューサー：安藤和久 プロデュース：豊福陽子、熊谷喜一 主題歌：槇原敬之「四つ葉のクローバー」 http://www.ktv.jp/goingmyhome/index.html

第9話 クーナの森で起きた美しく“青い”奇跡
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いよいよクーナ探索のイベントが始まる。
見つけたものには1億円の懸賞金が掛けられている中で、
良多の持って居る帽子がクーナ研究家の作った帽子とは少し
違う事に気がつく。
一方でクーナ人形が右手に何か持って居るような姿を見つけ
萌江はそれが何かを知りたがると、菜穂は調べて置いてくれた
様で、遺体に手向けるリンドウか、幸せの四つ葉のクローバ
ーであるという説が有る事を説明する。

クーナが居る事を信じたい人の気持ちがクーナを作り上げて
いるのか否か。大人の事情がイベントの中にも含まれる中で、
居ても良いのではないかとする気持ちにさせられるドラマである。

見えないものの存在の象徴として今回は空気と共に浮遊する菌が
例えられていたけど、クーナもまたそんな菌の集合体のような
存在なのか。

その土地土地によって違う菌が浮遊していて、それを吸収して
その独自の味噌が造られる。クーナもまた自然のバランスに
よって生み出される産物であり、何かが欠ければ宿を持たない
クーナは行き場を失ってしまうのか。

村の人口を増やす過程で、犠牲になってしまったものの存在
が、人の心を深く傷つけている格好だけど、最後に咲き乱れる
りんどうの花は、お墓にも見えるし、そんな気持ちを癒す為の
思い出の場所のようにも見える。見る者によって違う意味合い
に感じられる所が面白く出来ているなと思う。そういう意味では、
栄輔もこの場に立ち会わせて欲しかったな。

ダム建設の是非に関して、ほぼ初回の頃に触れられただけなので
何故こんなに栄輔と治が葛藤対立しているのか分かりづらい
部分が有るんだけどね。

村を出て行くモノが居たかと思えば新しくこの土地に根付くモノ
も居る。希望と絶望が混在していて、なかなか一筋縄ではいかない
現実を上手く象徴しているかのようだ。